
<ヤクルト1-7巨人>◇21日◇神宮
プロ野球史上326人目となる通算1000安打を達成したヤクルト中村悠平捕手(35)は強い信念に従い、日々を過ごす。「とにかく悩むよりまずトライ」。そう心がけ、腰痛とも折り合いをつけながらグラウンドに立つ。
5月には直感のまま新たな扉も開いた。アメリカンフットボール界のレジェンド河口正史氏とタッグを組み、定期的にトレーニングを行う。同氏のジムに通い、体幹部を4つの部位に分けてトレーニングする「クアトロコア」を実施。もともとSNSで目にし、すぐに体験に向かった。体の連動性を意識し、ジムではバットも振る。「大きなけがをしないようにしつつ、いいパフォーマンスを出せるように。若い選手も勉強して頑張っているし、刺激も受けながらね」と現状打破の糸口を探す。
まだ打率1割9分4厘と不本意ながら、8月は23打数8安打の月間打率3割4分8厘と調子を上げてきた。記録達成後は「今年は苦しいシーズンが続いているが、こういった時こそ自分自身も成長できるチャンス思う。ここからはね返すこともそう」と言った。チームで初めて魚雷バットを試合で使ったのも中村悠だった。積み重ねてきた経験を土台としながら、探求心に満ちあふれる。【ヤクルト担当=上田悠太】
▼通算1000安打=中村悠(ヤクルト) 21日の巨人19回戦(神宮)の3回、田中将から左安打を放って達成。プロ野球326人目。初安打は10年4月14日の広島5回戦(マツダ)で斉藤から。