
<楽天5-7日本ハム>◇17日◇楽天モバイルパーク
日本ハム矢沢宏太投手(25)が「5番の顔」で、2カード連続勝ち越しに貢献した。13試合ぶりのスタメン出場はプロ初のクリーンアップとなる「5番右翼」を任され、3回1死一、二塁で右中間を破る2点適時三塁打を放った。新庄監督の“勘ピューター”起用と「4番の顔」ができる郡司からの助言に応える一打で、存在感を発揮した。チームは貯金を「22」とし、首位ソフトバンクと3ゲーム差をキープした。
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チャンスで打席が回ってくることを「5番の顔」で待っていた。3回無死一、二塁、打席には4番レイエス。矢沢は「モーレ(レイエス)、頼むからアウトになってくれ」と心の中で願うと、結果は空振り三振。「よし、来た」ときりっとした、自信あふれる表情で打席へ向かった。2ボールからの3球目、147キロ直球をとらえた会心の打球は、右中間を破る2点適時三塁打となった。
試合前に郡司から「5番の顔していけー」と助言を受けた。“4番の顔”をして何度も結果を出している先輩からのシンプルなアドバイスを、しっかり実践した。「顔が大事だと郡司さんに教わったので“5番の顔”で打席に入った。きりっと自信を持ってって感じですかね」。1回は4番の先制打に続けなかったが、次のチャンスは頼りになる“5番の顔”で結果を残した。
プロ入り初の5番抜てきは、新庄監督の“勘ピューター”で決まった。「最初7番ぐらいだったんですけど、こっちに来るタクシーで(頭の中で誰かから)『矢沢くん、4番にしない?』って…(笑い)。『じゃ、5番にしますか』って」と、7番から5番へ打順を上げた経緯を説明。急に脳内に降ってきたアイデアが見事にハマった。
クリーンアップ自体も初めての矢沢だったが、どうしても結果を残したい試合でもあった。「いつも出てる人たちじゃない中での試合で負けてたら意味ないですし、そこで活躍しないとずっと控えになっちゃうので」。1日オリックス戦以来のスタメンでも、きっちりインパクトを残せた意味は大きい。19日から3位オリックス、首位ソフトバンクと本拠地6連戦。チームにも大きな刺激と勢いを与える“5番の顔”の躍動だった。【木下大輔】