
<西武3-5ソフトバンク>◇13日◇ベルーナドーム
ソフトバンクの勢いが止まらない。敵地・所沢で西武に完勝。今季2度目の6連勝を飾った。好調の打線は初回に柳町達外野手(28)の先制打など長短5安打などで大量5得点。今季初対決となった西武先発の松本を一気に攻略した。8月は9勝1敗の圧倒的な強さで首位快走。2位日本ハムが勝ったため、14日の優勝マジック点灯は持ち越しとなったが、この強さならもう秒読み。勢いを増しながら、小久保ホークスがVロードを疾駆する。
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強い。ボクシングならゴング直後にパンチの嵐と言ったところか。敵地・所沢でホークス打線が試合開始から活性した。今季初先発となった西武松本に初回から襲いかかった。2つの四球と近藤の二塁打で1死満塁。5番柳町のバットが口火を切った。
「とにかくチャンスで回してもらったので、絶対に先制点を、と打席に入った。追い込まれても速い球にしっかり反応できた。1打席目にああいう形(1死満塁)で回ってきて、しっかりヒットでつなげたのはすごく価値ある1本」。自身7試合ぶりの打点が一、二塁間を見事に割る先制タイムリー。柳町は胸を張った。
前カードの本拠地での日本ハム3連戦をスイープ。首位快走の流れは止まらない。6番牧原大も右前タイムリーで続くと、2死後には8番海野もバットを折りながら中前に2点適時打。9番佐藤直もさらに続いて左前タイムリー。4本の適時打を集中させて大量5点を奪った。初回5点は今季チーム初。5点差以上の逆転負けを喫していないチームだけにデータ的にはこの時点で勝利は「当確」だっった。
近藤、山川ら主軸が打点を挙げなくても、勝ち抜く。8回にも左前打を放ち、マルチヒットを記録した柳町はこれで今季90安打としキャリアハイを更新。「1つの過去の自分を超したじゃないけど、1歩成長できたかな」。交流戦MVPを獲得した急成長の男は、勝負の8月にもさらに成長曲線を上向きにする。
今季2度目の6連勝で8月は9勝1敗。2回以降は無得点に終わったものの、小久保監督は欲を封印。「ぜいたくはいくらでもある。(2回以降の)攻撃を緩めたわけではない。あと1本出なかった。5点入ったら逃げ切らないと。逃げ切ったのがすべてです」。14日の優勝マジック点灯はお預けとなったが、Vロードを疾駆しているのは間違いない。【佐竹英治】
◆ソフトバンクのM点灯条件 ソフトバンクの優勝マジック点灯は最短で15日になった。条件はソフトバンクが14日西武戦、15日ロッテ戦に○○なら、日本ハムが14日ロッテ戦、15日楽天戦に連敗で、オリックスが14日楽天戦、15日西武戦で1敗か2分け。ソフトバンクが○△の場合は日本ハムが連敗で、オリックスが1敗。いずれの場合もM31が出る。