
<全国高校野球選手権:東海大熊本星翔10-7北海>◇11日◇1回戦◇甲子園
甲子園での初勝利は、地元に届ける大きな1勝だった。東海大熊本星翔が、北海との乱打戦を制し、4度目の正直で初めて初戦突破。チーム最多3打点を挙げた堀田延希内野手(3年)は「この世代で絶対に歴史を塗り替えようとやってきた。それができて良かった」と初白星をかみしめた。3-3で迎えた7回、3点を勝ち越し、なお1死一、二塁で左中間へ三塁打を放ち2点追加。この回、打者11人で6得点の猛攻だった。8回にも堀田の犠飛で1点を加え、今大会17試合目で初の2桁得点を果たした。
アルプス席中央にはぽっかりとスペースが空いていていた。熊本県に大雨特別警報が発令されている中での一戦。野球部の1、2年生や吹奏楽部など200人以上を乗せたバス5台が、悪天候の影響で試合に間に合わなかった。「できることをやるしかない」と福家武応援団長(3年)を筆頭に3年生部員とマネジャーの14人は気合を入れた。心強い存在もいた。東海大大阪仰星の吹奏楽部とチアリーディング部だ。甲子園出場決定時に、友情応援を依頼していた。吹奏楽部顧問の有永雄星さん(27)は「もちろん、熊本星翔の分も応援します!」と力強く宣言。“TOKAI”が一丸となってナインを後押しした。
熊本県菊池市出身の堀田は「元気を与えられるようなプレーがしたかった」と言った。「応援団のためにも、次の試合につなげられてよかった」。次戦は、全員、甲子園で-。一戦必勝で熊本にエールを送る。【山本佳央】
◆九州勢6校が初戦突破 創成館、沖縄尚学、西日本短大付、佐賀北、明豊に続き東海大熊本星翔も初戦突破。九州勢6校の初戦突破は10年の7校以来15年ぶり。