
<マリナーズ6-3レイズ>◇10日(日本時間11日)◇Tモバイルパーク
アジア人として初めて米野球殿堂入り、そして背番号「51」がマリナーズの永久欠番となったイチロー氏(51)が記者会見を行った。
会見ではマリナーズや永久欠番に対して、ドジャース大谷翔平投手(31)ら日本人メジャーリーガーへのエール、愛弟子フリオ・ロドリゲス外野手(24)への思いなどを語り尽くした。
【会見での一問一答4】
-引退会見で大谷翔平について、「世界一の選手にならないといけない」と。21年にも「ショウヘイにしか描けない時代を描いて欲しい」とお話しされていました。ご自身が殿堂入りを達成して、大谷選手をどんな風に見ていますか
「やっぱり日本人の代表として引っ張っていってほしいです。それは変わらないですね。元々、大谷選手の場合は世界を見据えて、高校生の頃からかな。目標だったのか夢だったのかそれは分からないですけど、僕と比較した場合に、もう見据えてた場所が全然違うので、僕と比較した場合に。僕はまず日本のプロ野球選手になること、そこから本当に小さいことを積み重ねてきた結果だったので、全然もうスタートが違うんですよね。持ってるものも全然違うし、花が咲いた時に大きなものになることはもう誰の目にも明らかだったわけで、今の立場になってそれをさらに昇華していく。そういう立場にある。そうしなくてはいけない立場にあると思うので、日本人の心を忘れないで引っ張っていって欲しいと思います。もう1つ、今残念なのは野手がいないこと。僕はこっちに来て25年がたつんですけど、ピッチャーは何人かいます。DHも何人かいます。野手がいないのが、なかなか僕としては残念なところですね。やっぱり日本人の守備っていうのは大きな武器だと思っていたので、それが見られないのは残念な点ではあります。数は増えたように見えるものの」
-01年のキャンプが始まる前のファンフェスタで盛大なサイン会をやりました。その時に「この人気が冷めないように成績を残して、自分の力を100%出すよう心がけたい」と言いました。あれからこれだけの時間がたって、あの時の気持ちを振り返ってなにか思いはありますか
「まずね、『人気が冷めないように』ということは僕は言ってないと思いますね。『人気』とは言ってないと思います。それ言ってたら、ちょっとおかしいヤツなので、言ってないと思います。仰っていることはわかります、ニュアンスは伝わってきました。大体、新しいところ、プロ野球でもそうですけど、スタートした時が一番、最高の状態である選手ってたくさんいます。僕の場合もその可能性は十分にあって、それは寂しいじゃないですか。新しい選手が来ると、そこに期待を込めてくれる、期待してくれる気持ちが大きいことはよくあることです。でもそれが時間がたつと『あそこが最高だったよね』は、寂しいことなんですよね。それはなんとしても(避けたい)。終わるときが最高が『最高』なわけで、その意味で僕はとても幸せな野球人生を、現在も歩んでいると感じています」