
日本ハム孫易磊投手(20)が天王山で先発デビューする。首位攻防3連戦の3戦目となる11日ソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)の先発に抜てきされた。
支配下登録された5月はリリーバーとして経験を積んだ最速157キロ右腕は、2軍で順調に先発調整を進めてきた。プロ初ホールド&セーブを挙げた相手に今度はプロ初勝利で、覇権奪回を目指すチームを加速させる。
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日本一への大航海に“台湾の至宝”が先発として参戦する。孫易磊が11日ソフトバンク戦でプロ初先発する。来日2年目の右腕は、前カードの西武3連戦から1軍へ合流していた。エスコンフィールドで再会した新庄監督と笑顔で握手を交わすと「久しぶり。任せたよ」と声をかけられ、意気に感じた。
孫易磊 いつも通りの自分のピッチングができればと思います。いろんな方に聞いて(投球自体も)ちょっと修正してきたので、さらに良くなっているかなとは思います。
肝っ玉が据わる最速157キロ右腕は、自信たっぷりに言った。
1軍デビューもソフトバンク戦だった。育成から支配下登録された5月22日に、本拠地での同戦でプロ初登板。中継ぎとして同点の9回からマウンドに上がり、2回無失点で初ホールド。さらに敵地での同27日同戦では3点リードの9回にクローザーとして登板。3者凡退でプロ初セーブもマークした。もの怖じしないポテンシャル抜群の20歳のプロスペクトに、新庄監督も「たいしたもんですよ」と絶賛していた。
1軍でリリーバーとして7試合に登板した後は、6月中旬から2軍で春先と同様に先発調整を再開。徐々にイニング数と球数を伸ばしながら5試合に先発し、計21回を投げて防御率2・14。イニング数を上回る計23奪三振を記録するなど、順調に状態を上げてきた。
孫易磊 野球人生の中で中継ぎっていう経験が少ないんです。いろんなものが、もう勉強になったって感じです。(2軍の)金子コーチからは「自分のピッチングをしっかりできればいい」と話してもらいました。優勝争いを意識しながら、思い切ってやるしかないかなっていう感じです。
高ぶる気持ちもパワーに変えてプロ初勝利もソフトバンクからもぎ取り、チーム9年ぶりの覇権奪回へ向けた推進力となる。