
Jリーグは29日、都内で理事会後会見を行い、野々村芳和チェアマン(53)が、中止危機に陥ったスペイン1部バルセロナとヴィッセル神戸の慈善試合を念頭に今後の海外クラブとの親善試合のあり方について日本サッカー協会(JFA)にルール作りの必要性を提言したと明かした。
同一戦をめぐっては、バルセロナが「プロモーターによる重大な契約違反により日本ツアー中止」との声明を発表。ツアーの責任者である韓国企業のトップが主管のヤスダグループから送金がないと主張するなど、大問題に発展した。その後、楽天グループが未払い金を肩代わりしたとされ、無事に試合は開催された。
会見で野々村チェアマンは「バルセロナのゲームで、いろいろなトラブルが起きました」と切り出し、「本当に多くの人の協力で試合ができたのはよかった。日本のファンもそうだし、バルセロナも1試合のトレーニングマッチがどうなるかわからないのはあってはならないこと、無事ゲームができたのはすごく良かった」と話した。
日本で行われる興行試合は、JFAの許可が必要である。そのことを踏まえて「たくさんのゲームが最近この時期、日本で行われますけど、JFAにも昨日お伝えしましたが、一定のルール、ガイドラインはもっておかないといけないだろうと。乱立することの善しあし。Jリーグの裏で行われることの善しあしも考えないといけない。その辺のルールを協会としてしっかり作った方がいいのではないかとお伝えしました」と要望したという。
自由競争の中で、厳格なルール化は簡単ではないが、協会側も前向きに議論していく受け止めだったといいう。野々村チェアマンは「基本的には日本サッカーの価値をどう上げていくかがベースになる。(日本サッカーの価値を)毀損(きそん)する可能性があるものには、YESが出せないとルール化しないといけない」と訴えた。【佐藤成】