
米野球殿堂入りを果たしたCC・サバシア氏(45)が、27日(同28日)の表彰式典後に米番組「MLB Network」に出演。同じく殿堂入りしたイチロー氏(51=マリナーズなど)との思い出を語った。
イチロー氏とサバシア氏は、メジャーデビューが同じ年。サバシア氏は17勝5敗という好成績を収めたが、イチロー氏は242安打、打率3割5分、56盗塁で新人王とMVPを同時に受賞した。
サバシア氏は「これはいつも話すんだけど、キャリアの中盤からスライダーが決め球になったんだ。2ストライクから相手の足元にスライダーを投げるのが定番だったんだ。でも、その球が生まれたのは2006年の途中。2ストライクまではいくんだけど、山なりのカーブを投げていて打ち取ることができなかった」と、自身の決め球スライダーの思い出を話し始めた。
続けて「(当時コーチの)カール・ウィリスに『カットボールを教えてやる』って言われて、なんとか82マイル(約132キロ)くらいのスライダーを投げられるようになった。それで俺は『いいじゃん』って思って。それで次の登板がシアトル。2ストライクを取って初めてそのスライダーを投げたら(イチロー氏に)ホームランを打たれて、球場の窓まで飛ばされたんだ」と、インディアンス(現ガーディアンズ)時代のイチロー氏との対戦を回想した。
さらに「でも『大丈夫、大丈夫』って次の打席も初球にスライダーを投げたら、またホームランを打たれたんだよ」と、イチロー氏からの2被弾を笑顔で振り返った。通算251勝の名左腕は「でも最後は、そのスライダーが自分の武器になった。すごいバッターと対戦して打たれるときもあるけど、その時のスライダーが自分のキャリアをどう導いてくれたかって思い出すと、すごくおもしろいよね」と締めくくった。
サバシア氏は式典のスピーチで「何よりもまず、私の後ろに座っている偉大な選手たちに感謝します」と話した。すると「2001年の新人王を奪ったイチローも含め、皆さんとともに殿堂入りできて、誇りに思うと同時に身の引き締まる思いです」と会場を盛り上げた。