starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

米国野球殿堂入りのイチロー氏「やっぱり野球は考えて知恵を絞って」…考える野球の重要性強調


米国ニューヨーク州クーパーズタウンで行われた米国野球殿堂入り記者会見に臨むイチロー氏

【クーパーズタウン(米ニューヨーク州)26日(日本時間27日)=四竈衛、水次祥子】マリナーズ、ヤンキースなどでプレーし、日本人で初めて米国野球殿堂入りしたイチロー氏(51)が公式セレモニーの前日、記者会見に臨み、有資格1年目で選出された思いを語った。すべてが数値化される近代野球に対し、あらためて「頭を使う」野球の重要性を訴え、今は亡き、恩師の仰木彬さん、日本球界の大スターだった長嶋茂雄さんへの思いなどを明かした。

   ◇   ◇   ◇

盛夏の日差しの中、背丈の伸びたとうもろこし畑が続く田園の先に、ひっそりとたたずむクーパーズタウン。幹線道路から遠く離れた街角には、まばゆいネオンどころか、信号機すらない。人口約2000人。急速にデジタル化する世界を拒絶するかのように、古き良き米国の牧歌的な空気を維持し続ける同地で、イチロー氏は、晴れ晴れとした表情で殿堂入りした思いを、丁寧に言葉を選び、時にしばし思いにふけるかのように、言葉をつなげた。

「シーズン中、戦っていると、いろんな感情がいっぱい生まれて。いい感情もありますけど、自分の心が濁っていくというか、そういうこともたくさんありました。それでクーパーズタウンに訪れると、それをすごくきれいにしてくれて、もう一度リセットして次のシーズンに向かえる。そんな気分でいつもいました。本来、野球選手が持っていなきゃいけない感情を戻してくれる」

野球の発祥地と言われ、過去の偉人の功績を後世に伝えるために創設されたのが野球殿堂。日本人として初めて仲間入りを果たし、名実ともに「レジェンド」となったイチロー氏は、あらためて近代野球への問いかけに力を込めた。

「今のMLBの野球、戻りつつあると思うんですよね。頭を使わなきゃできない、考える野球に戻りつつある。それはすごくいいこと。やっぱり野球っていうのは、知恵を絞って、考えて、自分の能力を高めていく競技。じゃないとできない競技だと思う」

西日が傾き始めた夕刻に始まったパレードには、約1万2000人のファンが沿道に詰めかけた。人種、国籍を問わず、声援を送る空間で、妻の弓子さんとトラックに乗り込んだイチロー氏は穏やかな笑みを絶やすことなく、手を振り続けた。

「今回僕がクーパーズタウンにいることで、こんな感じの選手だった人が…。それは何かのメッセージになることなのかと思っています」

殿堂入りは、目指していたわけでもなく、ゴールでもない。自らを律し、野球をこよなく愛し続けてきたイチロー氏は、数々の功績以上に、未来の球界への視点も忘れていなかった。

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2025
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.