
<高校野球兵庫大会:小野4-3三田学園>◇24日◇準々決勝◇ほっともっとフィールド
神戸
兵庫県内有数の公立進学校でもある小野が昨秋県3位の三田学園を相手に、9回2死から劇的な逆転サヨナラ勝ちだ。東西に分かれた第100回記念大会(18年)の西兵庫大会4強を除けば、夏の県大会で同校初の準決勝進出となった。
9回表、あとアウト1つで勝利が決まる状況から連続適時打で逆転を許した。だが、ドラマには続きがあった。1点を追う9回裏2死満塁。代打の松井敬悟外野手(2年)がサヨナラの2点適時打を決めた。
9回を1人で投げ抜いた主将の本山翔投手(3年)は「辛いときも諦めなかったから野球の神様が振り向いてくれた」と目をうるませた。春の県大会は初戦敗退。以降、主力メンバーは素振りや走り込みばかりで、練習試合にも出られない状況が続いた。「本当に悔しかった」という経験を力に変え、5回戦、準々決勝は2戦連続の逆転勝ちだ。
同校OBの元阪神清水誉(現阪神1軍チーフマネジャー)ら先輩もたどり着けなかった聖地へ。本山は「次も試合ができる。逆転してくれた仲間たちに恩返しを」と力を込めた。主将として、エースとして、新たな歴史を刻む。【一 樹】