＜高校野球南北海道大会：北海3－2立命館慶祥＞◇12日◇1回戦◇札幌円山
全国最多40度の夏甲子園出場を誇る北海が、サヨナラ勝ちで8強に駒を進めた。1点を追う8回に1番の桜井悠也内野手（3年）が左翼へ同点適時二塁打を放ち、9回の劇的勝利につなげた。
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チームのために、親友のために打った値千金の同点打だった。1点を追う8回2死三塁、桜井は「当てることだけを意識して」5球目の内角直球を振り抜いた。左翼越えの適時二塁打。3回以降、終始追いかける展開だったが、劣勢を跳ね返し、9回のサヨナラ勝ちへとつなげた。
昨秋は1番、今春は3番を打った。今夏は再び1番起用に、平川敦監督（54）は「ほかの選手との兼ね合い。春も大事な場面で打っているし、チャンスでは彼に回ってくる」と信頼を置いている。
打席前、途中交代していた吉井天星内野手（3年）から「ここで終わりたくない」と声をかけられた。3年生部員で2人だけの道外出身者。二遊間を組むコンビで、ともに1年からベンチ入りするライバルであり親友。桜井は「特別な関係」と言う。友の言葉に奮起して放った一打に、吉井も「信じていたので、本当にうれしかった」と涙を流した。
厳しい試合を勝ち抜き、2年ぶりの8強進出。全国最多41度目の夏甲子園へ向け、2人の戦いはまだ終わらない。
