
<高校野球長崎大会:創成館3-2波佐見>◇23日◇準々決勝◇たちばなしんきんフィールド・オブ・ドリームス
長崎にも森下翔太がいた!
創成館(長崎)のエース森下翔太投手(3年)が準々決勝の波佐見戦で5回2/3を投げ、6安打2失点(自責1)と試合を作った。
「最少失点で抑えることができたのは良かった」。初回から制球に苦しみ、計4四球を与えた。毎回走者を背負うも、要所を締めて大量失点を許さなかった。チームは1点差の接戦を制し、夏4強入りを決めた。
阪神森下翔太と同姓同名。球界を代表する人気選手に追いつけ、追い越せの気持ちで急成長を遂げた。「名前に負けない投球をしないと」。入部時の最速は120キロに届かなかった。同世代のチームメートと比べても「真ん中より下」の評価。「試合に出ることはないかも」と不安を抱くこともあったが、ひたむきに努力を積み重ねた。冬場は同校に近い久山年神社の横にある山で走り込み。平均で週3回、約200メートルも続く階段ダッシュ20本で下半身を鍛えた。一冬を越え、春に149キロを計測。投手だけで30人、部員100人を代表して今大会は初めて背番号1を背負う。
大会3連覇まで、あと2勝。甲子園出場を決めれば、注目度は一気に全国区となりそうだ。「目立つのは好き。その中でチームを勝たせられるような投球をしたい」。その名に恥じない快投を誓った。【佐藤究】