
<高校野球神奈川大会:日大藤沢4-6桐光学園>◇20日◇5回戦◇サーティーフォー保土ケ谷球場
桐光学園が敗れ、勇退する野呂雅之監督(64)の最後の夏も終わった。
試合後、泣き崩れる選手たちをねぎらう。「全員がプレーに集中して、すごく熱いものを感じたので」。そんな教え子たちをベンチへ戻すと約10秒間、応援席に向かって1人で深々と頭を下げ続けた。
「特に神奈川の高校野球のファンの方々は熱い思いもあるし、すごく野球を深く知ってらっしゃるので。長く観戦していただいたという気持ちを込めて、言葉をかけるほどの距離はなかったので、こういう形で、ちょっと長めに思いを込めてさせていただきました」
早大から早実を経て、教員生活は桐光ひと筋で40年超。激戦区の神奈川で戦い続けたことには「来る前から厳しいものと思っていましたし、実際厳しかったですし、その中でも監督としてやらせていただいて幸せに感じています」としみじみ話した。
「多くの生徒、選手に恵まれましたし、多くのチームと戦うことが本当に幸せでした」という40年少々。後任は未定だが「甲子園常連校になれるような桐光学園を目指して頑張ってほしいなと思います」と、新チーム以降の選手たちに期待を寄せていた。