
<高校野球山形大会:日大山形4-0創学館>◇17日◇3回戦◇ヤマリョースタジアム山形
日大山形が無失点リレーで圧倒した。先発の小林永和(とわ)投手(3年)は「気迫のあるピッチングを心がけてマウンドに向かいました」と時折帽子を飛ばしながら、カーブとスライダーを使い分けた投球で5回を2安打でまとめ上げる。2番手・本田聖投手(3年)も持ち味のストレートを生かし、4回無安打投球で隙を見せなかった。
1年生ながら夏に甲子園デビューを飾り、チームをけん引し続けていた本田だが、今春県大会で王者酒田南に7回9安打6失点(自責5)と打ち込まれ、最後の夏の大会を前に背番号「1」を小林に明け渡した。「顔には出さなかったんですけど、悔しさはありました。心の中でぎゅっと抑えてて、でも任されたからには自分の仕事をする」と切り替えながらも「甲子園を決めて取り返したいです」と意気込む。受け継いだ小林も「高校に入ってからずっと着けたい思いがあって、夏でようやく取れた番号なのでうれしいです。プレッシャーはありますけど、後ろに聖がいてくれるから安心して投げられます」と全力で腕を振るう。
荒木準也監督(53)は「背番号はここまでの過程の話であって、大会始まってからは関係ない」と話す。価値のある背番号をやっと背負い、あるいは再び取り戻すため、切磋琢磨(せっさたくま)しながらチームを聖地まで導いていく。