＜高校野球福岡大会：九州国際大付8－1八女＞◇17日◇4回戦◇光陵グリーンスタジアム
来年のドラフト目玉候補！？ 九州国際大付の2年生スラッガー、牟礼（むれ）翔外野手（2年）が衝撃のアーチをかけた。八女戦に「1番左翼」で先発出場。6－1の6回無死一塁からバックスクリーン左の電光掲示板に直撃するダメ押し2ランを放った。高校通算17号は推定130メートルの特大弾。バックネット裏のスカウトも目を丸くするパワーだった。
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どこまで飛んでいくのか。九州国際大付の1番牟礼はバットを豪快に振り抜き、確信した。「手応え的には完璧でした。センターに飛んだのが良かった」。打球はバックスクリーン左の電光掲示板に直撃した。「ガシャンッ！」。鈍い音が球場に響き、推定120メートルの特大弾。チームメートも驚く1発だった。
パワーで押し込んだ。5点リードで迎えた6回無死一塁の第4打席。カウント2－2からの6球目、外角スライダーを捉えた。逆風の悪条件も、182センチ、90キロの巨漢スラッガーにはお構いなし。これで高校通算17本目だ。楽天、ヤクルトでプレーした楠城祐介監督（41）は「彼だけは低反発（バット）を感じさせないですね。しかも逆風ですからね」と目を細めた。
来年ドラフト会議で目玉候補になる可能性すら感じさせる。バックネット裏で視線を送った中日三瀬スカウトは「典型的なスラッガータイプ。来年にかけて1年間追いかけたいなと思います」。ソフトバンク加藤スカウトも「スケールは大きいですね」と評価した。
昨夏はクリーンアップを務めたが、準々決勝で近大福岡に0－1の惜敗。8回に訪れたチャンスで空振り三振に倒れたという。1年生ながら責任を背負い込み、試合後には帽子のつば裏に「あの三振を忘れるな」と記した。今冬は1日2000回のスクワットで下半身強化。1日たりとも悔しさを忘れず、地道に鍛錬を積んだ。「間を抜く打球が増え、長打も増えた」と一冬の成果を実感する。
2年ぶりの甲子園出場へ、あと4つ。目標は「全国制覇なので。全部、勝っていきたい」と鼻息は荒い。まずは激戦・福岡の頂点を見据え、チームを勝利へと導く一打に徹する。【佐藤究】
◆牟礼翔（むれ・しょう）2008年（平20）7月14日生まれ、岡山市出身。小学1年から野球を始め、吉備中では、ヤングリーグのヤンキース岡山Youngでプレー。九州国際大付では1年春の北九州市長杯で初のベンチ入り。目標とするプロ野球選手はカブス鈴木誠也。182センチ、90キロ。右投げ右打ち。
