
<高校野球福岡大会:九産大九州13-8福岡舞鶴>◇13日◇3回戦◇大牟田市延命球場
九産大九州が計20安打13得点で両チーム合わせて34安打の壮絶な乱打戦を制し、4回戦進出を決めた。
「7番左翼」で今大会初のスタメン出場した笠井勇大郎外野手(3年)が打線をけん引。2回先頭で中前打を放ち、続く3回は無死一塁で右前へはじき返した。再び打席が回った同2死満塁では走者一掃となる3点適時二塁打。カウント1ボールからの2球目をフルスイングし、右翼手の頭上を越えていった。
「ボールがしっかり見えていた。しっかりスイングが今日はできていた」と胸を張った。
3安打では終わらない。6回先頭で中前打、8回も先頭で右前打をマークした。バットが打ち出の小づちと化し「野球人生初めて」という1試合5安打3打点の大暴れだった。
背番号「9」も、直近2戦は調子を落としてベンチスタートだった。「実力で出られていなかった。でも、(先発で)出たい気持ちはありました」と言う。松本誠監督(43)は「朝一番に(グラウンド)来て掃除をしたり、練習が終わった後もティー(打撃)をやっていた。今日は絶対にやってくれると思って、スタメン起用した。見事応えてくれましたね。次も使わないといけないですね(笑い)。(スタメン落ちで)悔しい思いもあったと思うんですけど、ほんとに真面目な子で。僕もうれしいです」と手放しでたたえた。
練習の成果を発揮した。冬場は1キロの木製バットを手に、ひたすら振り込んだ。「ティーを300球して、ロングティーも200球を結構な頻度でやっていた。バットを振る力はついた」と手はマメだらけだった。チームもここまで3試合連続2桁安打で、計41安打34得点と好調だ。
4回戦は17日、春の福岡王者でシードの東筑と対戦する。指揮官は「春に東筑さんに負けているので。夏の組み合わせが決まった時から『東筑とあたるまでは負けられないぞ』って強く言ってきた。今日以上の総力戦でいかないといけないです」と雪辱に燃えた。【佐藤究】