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本塁打量産の大谷翔平とジャッジ、あらゆる点が酷似 ホームラン打者2人を比較/Nobu’s Eye


オールスターで彩られるトゥルーイスト・パークにはドジャース大谷とヤンキースのジャッジらの大きなバナーが飾られる(2025年7月14日)

2年連続世界一を目指すドジャース大谷翔平投手(31)の後半戦は18日(日本時間19日)、本拠地でブルワーズ、ツインズと続く6連戦から幕を開ける。今後の見所の1つは「メジャーの本塁打キング争い」。マリナーズのカル・ローリー捕手(28)が38本で両リーグ1位。ナ・リーグ単独トップの大谷は32本で、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(33)は35本でア・リーグ2位につける。ここ数年、本塁打を量産する大谷とジャッジ。打撃の徹底比較とヤ軍ローソン打撃コーチの証言から、ホームランアーチストの共通点が見えてきた。(取材・構成=斎藤庸裕)

   ◇   ◇   ◇

左打者の大谷と、右打者のジャッジ。スイング軌道、ボールの捉え方、体の軸や傾き、あらゆる点が酷似している。下からアッパー気味にボールを捉えるスイングで、なぜ飛距離が出るのか。マイナー時代の14年からジャッジを知り、敵軍として大谷を見てきたヤ軍のローソン打撃コーチが、両者に共通する、あるメカニズムについて熱弁した。

「ジャッジの場合、体の使い方が特徴的でしっかりとエクステンション(腕の伸び)が出せる。アタックアングル(ボールへの入射角)が15度だとして、途中で止まらず、その角度のままボールを最後まで貫いていく。そうすることでバックスピンが生まれて、飛距離が出せるんだ。ショウヘイも非常に似ている」

MLB公式のデータ分析サイト「ベースボール・サバント」によると、大谷のアタックアングルは16度で、ジャッジは15度。ほぼ同じだが、同コーチによると、それ以上にフォロースルーの“直線的な力の伝え方”が驚異的な飛距離を生み出す共通の特徴だという。

「ショウヘイもボールに対して非常に直線的にアタックする。ジャッジのスイングの方がやや弧になっているが、二人ともボールに対して真っすぐに力を伝えて、コンタクトした後もバットがしっかりボールに乗っていく。これによって(飛距離を出すための)スピンを生むことができる」

ともに重心を体の後ろ側に残し、ステイバックのスイングでフォロースルーが大きい。一方で内外角のコースや変化球に応じ、インパクトの位置が前後することもある。同コーチは「アプローチを変えてしまう選手は、いろんなボールに対応できない」と説明した上で、大谷とジャッジについては「インサイドでもアウトサイドでも(力を伝える)方向性がまっすぐで変わらない。常に同じ軌道で一貫している」と語った。

類似点が多いホームランアーチストの2人。敵軍から見て、最も驚く打者大谷のすごみとは-。

「簡単にやっているように見えるところかな。彼のスイングは、すごくリラックスしていて自然なんだ。野球って難しいのに、彼はまるで、そうじゃないようにプレーする」

それは、ジャッジも同じだという。もちろん、日々の鍛錬の積み重ねが背景にある。そのやり方は違う。だが結果的に、至高の打撃技術が時を経て交錯し、世界一に向けて競い合う両軍の主軸を張る。チームの浮沈を握る2人のバットから、目が離せない。

○…打席に入るまでの準備にも、2人に共通点があった。ジャッジはホームベースの右側にバットの先端をつけ、直線で距離を測った上でバッターボックスの足場を固める。その意図を直撃取材すると、こう答えた。

「毎回同じ位置に立てているかを確認したい。視覚的にボールの見え方を同じにできれば、打者としてはすごく助かる。打席の中で動き回る選手もいるけど、1インチ(約2・5センチ)でも動けば、カーブがどこから始まるのか、速球がどこから来るのかという感覚が変わってしまう。だから自分としては、いつも同じ場所に立つことを確認している」

大谷はホームベースと三塁線の延長上にバットを置き、左足の立ち位置を決める。目的はほぼ同じで「見え方」の安定だ。大谷は昨年の5月中旬頃から始めたがジャッジは「キャリアを通じてやっている」という。また、大谷と同様、打席内で気になったゴミを拾う姿も見られる。

ヤ軍傘下マイナー時代から指導するローソン打撃コーチは、ジャッジのメンタル面について、こう語る。「若い頃から非常に意欲的で、常にトップを目指していた。今でも毎日、どうすればもっとうまくなれるかを考えていて、現状に満足することは一切ない。常に成長を求める姿勢が、彼のすごさ。だから、物語はまだ続いていて、どんな結末になるか分からない」。底なしの向上心は、二刀流の大谷も同じ。止めどない野球愛も共通している。

◆アタックアングル バットに当たった瞬間のボールの垂直角度を示す。MLB平均は10度前後で、全体で0~20度に集約される。今季最も高い選手はノービー(マーリンズ)の19度で、低い選手はゲレロ(ブルージェイズ)の2度。

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