
浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督(53)が、クラブワールドカップ(W杯)での経験を生かし、J1制覇を狙うと誓った。
17日、次節のFC東京戦(19日午後7時、味スタ)に向けたオンライン取材に応じた。クラブW杯はリバープレート(アルゼンチン)、インテル・ミラノ(イタリア)、モンテレイ(メキシコ)という強豪相手に3敗で終わった。あらためて対戦したチームと比較し、自分たちに足らない部分を痛感している。
「1つはボールロストがあった時のDFラインの再構築の速さ。そしてローディフェンスのペナルティーエリア内でのクロス対応のセットアップ、さらにファイナルサードで押し込んでいる時にいかにマネジメントができるか。クラブW杯の経験がさらにチームを向上させ、強いものにしてくれる」
帰国後、守備から攻撃、攻撃から守備への切り替えにフォーカスし、判断スピードを含めて強度を高めることに取り組んできた。
現在のJ1順位は9位。ただ消化試合が2試合少ない中、首位の柏とは勝ち点9差と大きく引き離されていない。つまり優勝争いを視野に入れ、ここから追い込みをかけていく。
クラブW杯の期間中、スコルジャ監督のもとには母国ポーランド代表監督のオファーが舞い込んでいた。来年のW杯に監督として出場ができるかもしれないチャンスだったが、浦和に残ることを決断した。
その理由を問われると「代表監督は光栄なものでしたが、私は浦和で叶えたい目標があったので残ることにしました。Jリーグで優勝するという夢、もうラストチャンスだという気持ちで戦います」と誓った。
完全移籍で加入したFW小森飛絢(ひいろ)は米国では出場機会がないまま終了。その分、再開するJリーグでの活躍に期待がかかっている。「飛絢は興味深い選手。ピッチ上で賢さを見せている。彼の年齢、性格、能力を考えれば浦和での明るい未来が待っている」と高く評価する。
優勝するためには得点力アップは必須。現在の1試合平均の獲得勝ち点は1・62(21試合で34ポイント=P)だが、これを平均2P台に持ち上げることで優勝は見えてくる。「後半戦で成功を収めるために確実に必要なのはアウェーゲームでの結果だと思います」と強調した。
22年途中から浦和を率いる。一昨年の23年シーズンにも優勝を狙える位置にいたが終盤に失速。夏場の強度の高いトレーニングをやり過ぎたことが響いたという。その反省から「2年前にミスを犯したということもスタッフ全員が分かっている。練習の負荷のところをコントロールするよう、みんなからいろんなアドバイスも受けている。メディカルスタッフも優秀だし、フィジカルコーチもいい仕事をしてくれているので、2年前の問題は起こらないと信じている」と話した。
残り17試合。クラブW杯の悔しさは「Jリーグの後半戦を戦うためのモチベーションになっている。ポジティブなものではなかったからこそ、現状を変えたいという思いがエネルギーになっている」とまで言い切る。勝ち点0で得失点差マイナス7は32チームワースト。屈辱にまみれた大舞台での経験を糧に、Jリーグの主役となることを約束した。