
DeNAは16日、マリナーズ傘下3Aタコマを6月にリリースされていた元阪神の藤浪晋太郎投手(31)と正式に今季の選手契約を締結したと発表した。推定年俸は5000万円で背番号は27に決定。藤浪と投げ合い、プロ初勝利を献上した過去を持つ三浦大輔監督(51)も歓迎の意を示した。この日は、代役守護神を務めていたローワン・ウィック投手(32)が出場選手登録を抹消。投手層に不安を抱えるチームにとって、藤浪は救世主となることが期待される。
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三浦監督が藤浪を歓迎した。加入が正式発表され、高いポテンシャルの持ち主に期待も高まる。
「(阪神)タイガースの時も、高校の甲子園の時も見ていました。非常にポテンシャルの高い投手でまだまだできると思っています。チームが変わって、これをきっかけにして横浜のために頑張ってほしいです」
運命の巡り合わせは12年前から。藤浪が記念すべきプロ初勝利を挙げた13年4月14日DeNA戦(甲子園)。当時投げ合った相手先発こそ、現役時代の“ハマの番長”だった。
三浦監督は藤浪にとってのプロ初打点となるスクイズを決められるなど7回4失点。藤浪には6回無失点に封じられて投げ負けた。「初ヒットも俺からでしょ? やられましたね」。同年4月28日には横浜スタジアムで右中間への二塁打でプロ初安打も献上。何かと“初もの”に関わってきた右腕と初めて共闘することになる。「まさか当時は一緒にやるとは思っていませんでしたけど、これも何かの縁。同じユニホームで戦えるのを楽しみにしてます」と心待ちにした。
先発、中継ぎと幅広い役割での経験も持つ右腕の起用法については「まだ決まっていません」と話すに留めたが、右上腕の神経障がいで離脱中の入江に続き、代役守護神を務めていたウィックもこの日に登録抹消と救援陣は手薄な状態が続く。「チームの勝利のために力になってもらいたい。みんなで一緒に戦っていきたい」と指揮官。藤浪が逆襲の火付け役となる。【小早川宗一郎】