
<高校野球岩手大会:花巻東7-1盛岡中央>◇13日◇1回戦◇きたぎんボールパーク
18年ぶりのノーシードから3連覇を目指す花巻東は7-1で盛岡中央に勝利し、初戦を突破した。4回、新田光志朗外野手(3年)の2ランで先制し、5安打を集中して一挙5得点で勢いづいた。先発の金野快投手(3年)は8回6安打1失点と好投した。
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一振りで流れを引き寄せた。4回、2番・佐藤がチーム初安打を放ち、左打席に新田が入る。「つないでいこう」とスライダーを振り抜いた打球は右翼席へと吸い込まれた。高校通算26号。軽快にダイヤモンドを回り、ホームで笑顔を見せた。「最初は入らないと思いましたが、打球が伸びてくれて、先制できてうれしかった」。
春の県大会初戦で敗れ、18年ぶりノーシードとして挑む夏。過去20年間の夏戦歴が4勝4敗と五分の盛岡中央との初戦は、3連覇を目指す上で、険しい道の始まりだった。3回まで盛岡中央・高田のアンダースロー投法の前に無安打。佐々木洋監督(49)が「正直、私も固くなっていた」というほどの重苦しさだった。
新田の1発でプレッシャーから解き放たれたのか、この回5安打を集めて一挙5得点。佐々木監督も「選手に助けられましたね。新田のホームランが大きかったと思います」と振り返った。殊勲の新田は今大会での自分の役目を「ここぞっという場面でランナーを返すことだと思います」と受け止める。「1戦1戦勝ちきらないと優勝出来ないと思うので、勝利に貢献できるバッティングをしていきたい」と快音を響かせ続けるつもりだ。
大事な初戦を託されたエース金野快投手(3年)は「自分の持っている力を発揮すれば勝てる」とマウンドに上がった。1回、2回と連続して得点圏に走者を背負うも、持ち味のスライダーを生かして先に点を許さなかった。「打線が援護をしてくれたので楽に投げられました」とチームメートに感謝した。初戦を制し、次戦は16日に花巻農との対戦。3連覇への道を1歩ずつ駆け上がる。【高橋香奈】