
<阪神3-6ヤクルト>◇11日◇甲子園
首位を独走する阪神がエアポケットにハマり、2リーグ制後では球団初の12連勝を逃した。村上頌樹投手(27)が甲子園で最下位ヤクルトを相手に2回表、7連打を食らって1イニング6失点。最後は内山にプロ5年目で初となる満塁弾も浴びた。2回降板は先発では自己ワースト。6失点も自己ワースト。エース格が想定外のKOを食らい、チームは50分間の雨天中断を挟んだ長時間ゲームに敗れた。
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甲子園が一気に静まりかえった。12連勝を信じて疑わなかった虎党の目の前で、まさかの光景が繰り広げられた。2回表、ヤクルトの攻撃。阪神エース格の村上が7連打を浴びた。衝撃の1イニング6失点だ。
「取るべきアウトを取ることができずに相手の勢いを止めることができませんでした。序盤で大量失点を許してしまい申し訳ないです」。降板後のコメントからも悔しさがあふれ出た。
1死一塁、二盗を狙った一塁走者の伊藤を捕手坂本が刺した。塁上に走者はいなくなった。だが2死走者なしから7番古賀、8番武岡に連打を許した。2死一、三塁。ここで9番投手ランバートのたたきつけたマウンド後方への打球に村上がグラブを合わせられず、先制の適時内野安打となったのが痛恨だった。
1番岩田、2番太田も連打。2死満塁となり、3番内山にはカウント2-2からの147キロストレートを左翼席まで運ばれた。7連打目は村上にとってプロ初の満塁被弾となった。
ヤクルトには6月27日の神宮でも悔しい思いをさせられていた。3-0で迎えた7回裏、並木にソロ、オスナに2ランを浴び、試合を振り出しに戻された。7回3失点で白星を逃し、チームもサヨナラ負けを喫していた。
「(前回は)終盤粘れなかった。でも甲子園は広いんで、しっかり攻めるところは攻めてやっていければなと思っています」。登板前の言葉通り、今回は雪辱のマウンドだったが、ともに自己ワーストの2回6失点で3敗目。再び唇をかんだ。
強くなった雨脚により、2回裏開始直前から50分中断し、4時間超えとなったゲーム。6月28日ヤクルト戦から勝ち続けてきたチームもさすがに“小休止”だ。藤川監督は11連勝で止まったことについて「それより今からやることがあります。投手が2イニングとか複数投げているので、勝ち負けよりも考えることがある」とすぐに次戦以降を見据えた。首位独走は変わらない。冷静に仕切り直すだけだ。【堀まどか】