
<高校野球大阪大会:金光八尾22-2大阪農芸>◇11日◇2回戦◇GOSANDO南港球場
大阪農芸は今年の4月まで野球部員は2人だった。主将の佐藤信尊(のぶたか)外野手(2年)の「農芸単独で出場したい」という強い思いから、未経験者や兼部の選手を集めて5月にはマネジャー2人を含む15名となり、単独出場を果たした。
10日の金光八尾戦で先発マウンドに上がったのは5月に入部した光武(みつたけ)大雅投手(3年)。光武は中学時代に野球経験があり、投手、4番を任された。しかし、初回に12安打を浴びると、失策も重なり16失点。その後雷雨の影響で試合は継続試合になった。
11日はスコアボードに16-0と表示された状態で2回から再開。4回表終了時に0-22と大差がついたが諦めなかった。4回裏、1死一、二塁から光武がレフト線へ2点適時二塁打を放ち、チームを活気づけた。光武の奮闘に応えるように、毎回失点を許していた守備は5回にゼロを刻んだ。2日間で計147球を投げた光武は「誰も最後まで諦めていなかった。悔しいけど財産になった。ありがとうと伝えたい」と仲間への感謝を語り、涙を拭った。【佐藤奨真】