
<全国高校野球選手権京都大会:開会式>◇10日◇和歌山市紀三井寺
昨夏、レゲエ歌手の楽曲を使用した校歌で話題となった和歌山南陵が、第107回全国高校野球選手権和歌山大会開会式に参加した。今夏はオール1年生6人で参戦し、有田中央、貴志川との3校連合で出場する。
今春の卒業生をもって全日制の生徒は0人になったが、昨秋募集停止措置が解かれ、同校には22年春以来の新入生12人(野球部6人、バスケットボール部5人、吹奏楽部1人)が入学した。ほかにも他県から2年生1人が転入し、野球部員は7人で再始動した。
この日は主将・佐藤尋斗投手(2年)が、プラカードを持って入場。全校唯一の2年生は日頃、マンツーマンで授業を受けているが、放課後は野球部で後輩たちと汗を流している。
転入前の昨秋、立正大淞南(島根)でベンチ入りしており、1学年下の選手たちにはベンチワークや心構えをアドバイスする。
規定では転入後1年間は公式戦に出場できないため、自身は来春の出場に向けて走り込み、ウエートトレーニングで体力を強化中だ。最速140キロに迫る直球や、スライダーが武器だが、小林祐我監督(31)は「佐藤にはチームを俯瞰(ふかん)して見られる選手になってほしい」とリーダーとしての成長も期待されている。
富秋中(大阪)の1年先輩には大阪桐蔭のエース中野大虎(だいと)投手(3年)がいる。プロ注目で存在感を示す中野は、練習や食事をともにした間柄だ。自身も将来の夢は「プロ野球選手」と明かし、「僕も中野さんのようにしっかりやらないと」と覚悟を口にした。
初戦の7月15日智弁和歌山との2回戦に臨む仲間へ、「力の差はあるかもしれないけど、目の前の試合に全力で頑張ってほしい」と今夏はスタンドから声援を送る。