
<高校野球南北海道大会札幌地区予選:札幌旭丘3-2札幌山の手>◇30日◇代表決定戦◇札幌円山
札幌地区で札幌旭丘が09年以来16年ぶり2度目の南北海道大会進出を決めた。エース門村亮汰投手(3年)が9回4安打2失点(自責0)の140球完投勝利。打撃でも5回に先制の2点適時二塁打を放った。
南北北海道代表全32校が出そろった。7月3日に抽選会が行われ、南大会は同10日、北大会は同12日に開幕する。
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札幌旭丘ナインは泣きながら校歌を歌った。丸刈り頭の背番号17、古川理久外野手(3年)はユニホームに顔をうずめていた。全校応援のスタンドへあいさつを終えると、門村は顔をくしゃくしゃにして、感涙した。186センチ長身右腕は「本当にうれしくて涙が止まらなかった」と照れた。
背番号1を背負う昨年秋から全6戦、門村が先発。25-19の乱戦だった2回戦札幌西戦から中1日、先発マウンドに立った。「自分が1人で投げ切るんだっていう決意を持って投げきった」と140球の粘投。打撃では5回1死一、二塁で先制の右越え2点適時二塁打で自ら援護。6回に味方の失策もあり2点を失っても、120キロ台の直球に変化球を織り交ぜ、逆転は許さなかった。
大会前には、09年に3季通じて唯一となる南大会出場に貢献した当時2年生エースだった山北隆太郎さんからの激励を受けた。現OB・OG会長として「どんなミスをしても、5年後だったり、みんなで集まってお酒を飲む時には、酒のさかなになって笑い話になる。どんなミスも恐れずに」。門村は「自分も公立校で全道に導けたらかっこいいんだろうなと思っていた」と、あこがれの存在からの言葉を胸に、最後の夏、全力で勝負する。
札幌山の手には中学時代、札幌中央シニアでチームメートだった松浦勇惺内野手、酒井翔大外野手(ともに3年)がいた。打席に入る前に笑みを見せた場面があったという。当時は2人の控え投手だった門村は「中学時代に勝てなかった」と振り返る。元球友を破っての南大会切符。「まずは1勝したい」と、同校初の道大会勝利を目標に掲げた。【保坂果那】