
フジテレビ系のスポーツ番組「すぽると!」が29日に放送され、楽天やメジャーで活躍した岩隈久志氏(44)、阪神などで活躍した糸井嘉男氏(43)が「打者大谷」が復調した背景を分析した。
ドジャース大谷翔平投手(30)は22日(日本時間23日)ナショナルズ戦で8試合ぶり26号2ランを放つと、1週間で4本塁打をマークし、ナ・リーグトップの29号に到達。
糸井氏は、同戦で外角高め直球を逆方向へ運んだ1発を「究極の1本」に選出。復調の背景には、ナショナルズ戦の1つ前のカード、内角攻めで2つの死球を食らったパドレス戦を挙げた。
スタジオではストライクゾーンパネルが設置され、打席に出演者の千鳥大悟が立ち、糸井氏がボールのついた棒を使いながら解説。まず「ここばっかり攻められていたんですね」と内角のゾーンを差した。
内角攻めが続くと打者は「意識が内角、内角になります」と打者自身のストライクゾーンが内角にズレていくと説明。すると外角のコースが遠く感じ、本来のストライクゾーン内の球もボール球に見えてしまうと解説した。そんな中でも「大谷くんは関係なしに、外角もしっかり打てる」と説明。
多くの打者は内角を打つ際、体を開きポイントを前にして打ちたがるが、大谷の場合は体を開かずに、腕をたたんだ状態でも打ててしまうという。
千鳥コンビからその理由を問われると「それは、大谷くんだからです」と笑いを誘ったが「それを可能にしているのは強靱(きょうじん)なスイングスピードと、腕をたたんでも持っていけるパワーが大谷くんにはある」と徹底した内角攻めが続く中でも外角を打てた理由に「ミートポイントの一定」を挙げた。
さらに糸井氏は打球が中方向から逆方向(左方向)へ飛び出すようになると「ホームラン量産体制に入ります」とも断言した。
千鳥ノブは岩隈氏へ「投手からして、ストライクゾーンをズラしてやろうという感覚はあるんですか」と質問。岩隈氏は「もちろんありますね」と投手目線で解説。逆方向へ飛ばすことのできる強打者は、外角球を簡単に打ててしまうといい「内角を意識させてファウルを打ってくれれば、肩が開く。そうするとストライクゾーンがどんどんズレてくれる。そこで初めて、外角が少し甘くなってもミスショットしてくれて助かる」と解説した。
だが糸井氏も岩隈氏も、大谷に関しては配球でストライクゾーンをズラしていく作戦に「意味がないですね」と脱帽だった。