
<明治安田J1:新潟0-4町田>◇29日◇第22節最終日◇デンカS
アルビレックス新潟はFC町田ゼルビアに0-4と今季最多失点で大敗し、3連敗となった。
前半43分、自陣でボールを奪われ、ミドルシュートで先制点を献上。後半はDF稲村隼翔(23)が得意のフィードでチャンスを演出し、FW起用となった奥村仁(24)がドリブルで相手守備網を緩めたものの、次々点差を広げられた。
勝ち点は19で変わらず、得失点差で横浜FCを下回り、順位を18位から19位に落とした。ホーム連勝も2で止まった。
勝利が遠のく3失点目を食らった瞬間、多くの新潟サポーターはため息交じりに席を離れた。ピッチに立つ11人が矢のようにゴールに迫る町田に、4失点で完敗。監督デビュー2戦目となった入江徹新監督(47)は試合終了のホイッスルが鳴るとぼうぜんと立ち尽くし、稲村はベンチに座ったまま号泣した。
敵地で連敗した21日アビスパ福岡戦(2-3)と、25日川崎フロンターレ戦(1-3)は前半だけで複数失点。入江監督は町田戦に向け、試合の入りの悪さを修正しつつ「慎重に行きすぎず、自分たちからアクションを起こしたい」と、強気な姿勢を貫くことを強調した。
序盤はパスと個人技を融合させた「新潟らしさ」を発揮しながら前進。だが、プレー強度の高い相手に徐々に流れを持っていかれ、前半43分にミドルシュートで先制点を献上した。
後半は最終ラインから稲村が攻撃の起点をつくり、パスを受けた奥村が単独突破で相手の守備をかき乱したが、ペナルティーエリア内への進入は数えるほど。逆に守備の寄せが甘くなったところを町田FW相馬勇紀(28)に同じような角度から2度、ゴールネットを揺らされた。
直近3試合で10失点とディフェンスが崩壊。それを上回る得点力も、欠いている。今、何が必要か-。残留に向け、ゆっくりと改善している暇はない。【小林忠】
▽入江監督「前半は狙いとしていたものを攻撃では出せていたが、エラーからの失点は反省。後半はいい攻撃を続けながら、もう一工夫、アイデアが必要だったが、距離感が悪くなって失点が重なった。メンタル面を含め自分たちで(試合を)壊してしまった」