
<明治安田J1:福岡3-2新潟>◇21日◇第21節第1日◇ベスト電器スタジアム
アルビレックス新潟はアウェーでアビスパ福岡に2-3で競り負け、今季初の連勝を逃した。前半4分、DF稲村隼翔(23)のプロ初ゴールで先制。ミス絡みで試合をひっくり返された同36分、FW谷口海斗(29)がヘディングシュートを決めて2-2としたが、同45分に突き放された。後半は虫垂炎から6試合ぶり復帰となったMF秋山裕紀(24)を投入して敵陣に押し込んだが、追いつけなかった。
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新潟は自分たちでゲームを壊した。稲村のゴールで幸先よく先制も、自陣でのパスミスから連続失点。谷口の今季2点目で2-2とするも、前半45分、左DF橋本健人(25)が背後に落ちたボールの処理にもたつき、2-3と勝ち越された。樹森大介監督(47)は試合前日、「リーグ後半戦、俺たちは違うんだぞ、と示したい」。そう意気込んだが、福岡にシーズンダブル(年間2戦2勝)を食らった。「前半で3失点は難しい展開になる。暑いのは相手も同じ。いつも以上にミスが多かった。残念」と唇をかんだ。
ミスで3失点した前半だったが、攻撃は機能した。左からMF奥村仁(24)がドリブルで仕掛け、右は前節で決勝点を決めたMFダニーロ・ゴメス(26)が翻弄(ほんろう)。好クロスで谷口の一時同点ゴールをアシストした。逆転したい後半、樹森監督は「(福岡は)ゴール前は強い選手が多い。アバウトではなく、崩しながら」と、パサーの秋山、FW太田修介(29)ら攻撃的な選手を次々に投入。しかし狙い通りの展開に持ち込めなかった。
勝てばJ2降格圏から抜け出せる可能性のある一戦で競り負けたが、序盤には稲村が右CKの流れから左足でJ初ゴールを決めた。群馬・前橋育英高2年の夏前までは右MFなどの攻撃的な位置でプレー。ゴールを射抜くシュートセンスをJの舞台でも見せた。得点以外にも攻撃の起点となるフィードを広角に散らして能力の高さを発揮した。だが、左利きのセンターバックには欧州クラブから正式オファーが届いており、離脱となればチームにとって大きな痛手となる。
中3日となる次戦25日はアウェーで川崎フロンターレと対戦する。樹森監督は「ミスを減らし、よりアグレッシブに戦いたい」。J1残留に向け、連敗は許されない。【小林忠】