
<都市対抗2次予選東北大会:TDK2-0日本製紙石巻>◇22日◇第1代表準決勝◇宮城・仙台市民球場
TDKが2-0で日本製紙石巻を下し、決勝に駒を進めた。先発の鈴木大貴投手(27=流通経大)が6回3安打無失点で試合をつくり、4投手の継投で完封勝利。JR東日本東北は10-5で七十七銀行を破り、3大会連続優勝に王手をかけた。TDKとJR東日本東北は第1代表をかけて28日に決勝で対戦。日本製紙石巻と七十七銀行は第2代表決定トーナメントに臨む。
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1年前の雪辱を果たした。鈴木は2回まで安打を許さなかった。4回は四球と犠打、右前打で2死二、三塁を招くも、日本製紙石巻・橋本を最後はカットボールで三ゴロに打ち取り、ガッツポーズで声をあげた。「試合が落ち着き始めて主導権を握れるかのターニングポイントだと思っていた。しっかり抑えられてよかった」。その後も毎回奪三振を続け、6回3安打7奪三振、102球の好投で後を託した。
昨年は第2代表準決勝で日本製紙石巻と対戦。鈴木は1-6の7回に4番手で登板したが3失点し、1-9で敗れた。「去年は完全に投手が敗因だったんですけど、今日は投手が勝因になれたので、仕返しができたなというマウンドでした」と、納得の4投手完封リレーで勝利を引き寄せた。
チームメートの存在が刺激となっている。今年で6年目を迎えた。エースとして全国の舞台を踏んできたが、3年前に小島康明投手(32=東京農大)がきらやか銀行から加入。ともに投手陣の柱となっている。「3年前までエースだったんですけど小島さんにエース取られちゃったんで、取り返すというか」とチーム内競争に闘志は燃やしつつも、コーチ兼任でチームを引っ張る小島からは「プレースタイルで示してくれている」と学ぶことも多い。松田仁監督(50)は「(鈴木は)コーチ業はしていないが、プレーで見せて、いい雰囲気をつくってくれている」と評価。小島とともにTDK投手陣をけん引していくつもりだ。
第1代表がかかった決勝へ向け、鈴木は「まだ先発は決めていないということなので、しっかり練習して、マウンドを任されたら役割を果たしていきたい」と力強く話した。3大会ぶりの東京ドーム切符をつかみとる。【高橋香奈】
▼TDK・深江大晟内野手(28=東北福祉大、初回の先制打に)「自分の仕事は点を取ること。楽しんで打席に入ってチームが乗るような先制点になってよかった」
○…日本製紙石巻は序盤に与えた2点が痛かった。先発の生長蓮投手(23=桐蔭横浜大)は6回2/3、5安打2失点の粘投も、昨年抑えた相手に「受け身にならずチャレンジャー精神で挑んだのですが、1イニング目から力みすぎてしまった」と反省した。切り替えて第2代表を狙う。「落ち着いた投球を序盤からできるように。負けたら終わりなので1イニングずつ全力でいきたい」と力を込めた。