
<日本生命セ・パ交流戦:ヤクルト8-10オリックス>◇20日◇神宮
ヤクルトが久々の「神宮劇場」を開演させた。
5点を追う7回、打線が連なった。先頭山田の左前打が幕開けとなり、1死満塁と攻めた。代打山野辺が2点適時打で反撃ののろしを上げた。西武から金銭トレードで加入後、初安打&初打点で「チャンスをいただいたので気持ちで持っていきました」としぶとく三遊間を破った。さらに内山がチーム10安打目となる右中間への適時二塁打で1点差とした。8回は無死一、三塁から岩田が中犠飛。5点を追う展開から試合を一時振り出しにした。
打線は10安打だった5月25日巨人戦を最後に、21試合連続で2桁安打がなかった。21年の日本一、22年のリーグ連覇と、その強さを支えたのは打線の破壊力だった。だが村上、塩見、長岡と主力がいない戦いを強いられている今季、打線は迫力に欠く。優勝争いから大きく取り残された位置に甘んじる。実に22試合ぶりの2桁安打に、ベンチの高津監督も一瞬表情が緩んだ。
ただ打っても、それ以上に打たれた。先発の小川が4回9安打8失点の炎上が重かった。延長10回に6番手の星が2失点を喫し、勝ち越された。借金は今季ワーストを更新する24へと膨らんだ。【上田悠太】
▽ヤクルト山野辺(7回1死満塁、西武からトレード移籍後初安打&初打点となる2点左前適時打)「気持ちで持っていった。今はちょっとチームが勝てていないので、元気を出して何とか勝てる雰囲気をつくれるようにしていきたい」