
<日本生命セ・パ交流戦:阪神8-1ロッテ>◇18日◇甲子園
阪神森下翔太外野手(24)がしぶとく先制点をつかんだ。近本の三盗で0-0の3回1死三塁。カウント2-2から高めに浮いたフォークを差し込まれながらも右前に落とし適時打とした。7連敗中でも変わらず大声援を送り続けた虎党の歓声が聖地にこだました。
「いい形で三塁に進んでもらったので内野も前に行きましたしなんとかバットに当ててコトを起こすことを意識して最高の結果になったので良かった」
セ界の点取り屋のバットから久しぶりに快音が響いた。この試合まで2試合連続無安打。先制の一打は14日楽天戦の第1打席以来17打席ぶりの安打となった。打点も13日の同戦以来4試合ぶりとなったが両リーグ単独トップは変わらない。8回にも左中間への適時二塁打で1試合2打点。「自分のスイングをすることを心がけた。三振でも中途半端なスイングはしないように」。交流戦打点トップにも再浮上だ。
初回は近本が出塁、中野が犠打も無得点。それでも3回も同じ形でチャンスをつくり近本の三盗も決まって1死三塁から先制した。5回も相手のミスでのチャンスを逃さず森下も冷静に四球を選ぶなど計2点追加。藤川監督が掲げる「凡事徹底」が白星につながった。
前日も敗戦後に指揮官は「とにかく普通にやること。それに尽きます。チャンスになると力が入りすぎたりする。普通に、普通に」と呼びかけていた。8回に5点追加の計8得点。この日も藤川監督は「いつも通りやれば必ずどこかでそういうタイミング(8回の猛攻)が来ると思い続けていました」と話した。
阪神ファンは8試合ぶりに勝利の「六甲おろし」。「勝ちがね、全てだと思う。このあとの4試合によって順位もすごく違うと思うので気を引き締めて継続的にやっていきたい」。森下は球宴ファン投票で59万6429票獲得しこの日の中間発表まで両リーグの全部門で単独トップ。人気を集める虎の3番打者が虎党を喜ばせる。【塚本光】