
サッカー日本代表の森保一監督(56)が16日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見した。2026年FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会(来年6月11日から7月19日)に向けた目標や展望を語った後、司会者から監督業の苦労を聞かれ、次のように語る場面もあった。
宿命とも言える批判については「プレッシャーはありますけど、ストレスは全くないです」と笑顔で言い切り「立ち向かうことができる素晴らしい仕事。もちろん勝敗だったり、成績であったり、試合内容であったり、そこに批判もあることは間違いないです。賛否両論、称賛も批判もあると思っていますし、私の仕事に対して称賛は…少ないかもしれないし、批判の方が大きいかもしれないですけど(笑い)。見てくださる輪が大きくなることが一番うれしいことであり、幸せなこと。何もない無関心が私にとっては、寂しくも、つらいこと。いろいろな見る目を持ったり、いろいろな角度から感じたことを話していただいたり、メディア上で表現していただいたり、が多い方がうれしい」
時には攻撃的な投稿もあるなど、厳しい批判については「ありがたいかなと思っています。時々、本当に『痛てっ』っていうことを言われたなと一瞬、感じますけど。特にそれがストレスに、ネガティブな感情になることは全くないです。全てポジティブ変換できるのかなと思っています」とほほ笑んだ。
それどころか「批判の中には、私の中では見られない角度から(の指摘)もあって気付かされることも多い。エゴサーチはしないですけど、スマホには随時、いろいろな情報は入ってきますので『こんな見方もあるのか』とか、実は参考にさせてもらっていたり、照らし合わせて改善のポイントにしたり。私の鈍感力もあるのかもしれないですけど、全てをポジティブに受け取れています」と、また笑みをこぼした。
匿名のSNSでは、度を越した書き込みも見られて社会問題にもなっているが「時々SNS上で、完全にストレスを抱えた方が発散のために発信しているんだなと感じることもありますが、サッカーを見て喜怒哀楽を、感情をさらけ出す、ストレス発散のコンテンツにしていただけるのであれば、うれしいなと。それも含めて、サッカーが非日常の中でエネルギーを爆発させる、ストレスを爆発させるものであれば。全てポジティブに捉えています」と最後まで、全てを受け止める懐の深さを見せていた。【木下淳】