
盛り上がる「日本生命セ・パ交流戦」もいよいよ最終週に突入だ。17日には日米の豪腕が開港の地、横浜で交わる。NPB現役最強とも名高い160キロ右腕の西武今井達也投手(27)と投げ合うのは、かつてのサイ・ヤング賞右腕、DeNAトレバー・バウアー投手(34)だ。ともに16日の前日調整では意識バチバチの様子。どんな化学反応が起きるのか。18・44メートルを貫く、2人の全てのボールを見逃せない。
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髪をなびかせながら、西武今井の瞳が輝く。DeNAバウアーと投げ合う。
「サイ・ヤング賞も取ってますし、野球の最先端を常に行っているイメージがありますしね。打席に立つのがすごく楽しみ」
投げ合うよりも?
「僕はそっちの方が楽しみですね」と心躍らせる。「変化球がどれも一級品なんで。うん。変化球、見たいですね。経験というか、興味本位というか」
今井は今井で、自身の身体に合った投球フォームを追求し続ける。“脱力投法”ともいわれる合理的な所作から、今季はついに最速160キロにまで達した。
開幕から基本的に中6日を続け、今回は初めて中9日でのマウンドへ。対するバウアーは中4日だ。「それが彼のいつもの投球間隔にはなっちゃってるんで。すごいなと思いますよね」。現代の日本のプロ野球では中4日の先発投手はいない。ただ、中4日での先発は「想像はできます」とも今井は言う。前回登板は7回134球。熱投派だ。
150キロ後半と不規則なスライダーで、ここまでの奪三振率は9・43。投げ方やビジュアルも含め、個性を昨季日本一軍団にぶつける。深い事前研究はせず「実際に投げてみての感覚を優先したいんで」と自然体で。予想気温は30度前後。才能がぶつかり合い、ハマの夜空が熱気に満ちる。【金子真仁】