
<DeNA2-1日本ハム>◇6日◇横浜
どよめきと歓声が入り交じった。DeNAトレバー・バウアー投手(34)が9回のマウンドへ向かう。8回ですでに112球。それでも球威は落ちない。9回2死、初球で151キロ直球を見せつつ、最後はナックルカーブで遊ゴロに打ち取った。自らのガッツポーズとともに、史上最多動員となった3万3860人のハマスタも沸いた。「とても素晴らしい空気感でした」と歓喜の渦を中心で受け止めた。
9回7安打1失点で2度目の完投勝利を挙げた。110球を投げてから中4日で121球の熱投ぶり。三浦監督は「同点までは任せようと思ってました」と託し、元サイ・ヤング右腕も結果で応えた。「自分が登板する試合は全てのイニングを投げたいと思ってます。今日はそれをすることができてうれしく思います」と充実の表情だった。
ヒリヒリする展開の投手戦だった。日本ハム先発の伊藤も完投し、互いにマウンドを守り抜いた。「いつか侍ジャパンでチームメートになれることを祈ってます」とジョークを飛ばしつつ「彼のような素晴らしい選手と投げ合えたことを光栄に思います」と楽しみながら白星をもぎ取った。
これで今季は自身3連敗からの4連勝。パ・リーグ首位の相手からの白星をもたらした。「最初はあまり成績の上がらない選手でしたけど、だんだんシーズンの終わりにつれて上位を狙える選手になれれば」。23年には3勝を挙げて6月の月間MVPを獲得。交流戦をバウアーが席巻する。【小早川宗一郎】