＜ドジャース5－4ジャイアンツ＞◇15日（日本時間16日）◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス（米カリフォルニア州）15日（日本時間16日）＝斎藤庸裕】23年9日の右肘手術から回復したドジャース大谷翔平投手（30）が、二刀流復帰を飾る。本拠地で16日午後7時10分（同17日午前11時10分）開始のパドレス戦に先発が決まった。ロバーツ監督によれば短いイニングで交代するオープナーとして登板し、1イニングとなる見込み。復帰は7月15日のオールスター前後とみられていたが、前倒しの電撃復帰となる。23年8月23日以来、633日ぶりに投打の二刀流で出場。その見所をQ＆Aで解説する。
◇ ◇ ◇
大谷の二刀流復帰が、なぜ急速に早まったのか。体調、チーム事情、ライブBPの内容と回復状況を踏まえ、球団と大谷本人からゴーサインが出た。
＜1＞身体的な負担 これまで3度のライブBPは試合前に行い、数時間後に打者でフル出場していた。ロバーツ監督は「ダブルヘッダーのような感覚だったと思う。それならそのエネルギーを、実戦に回そうということになった」と明かした。「これ以上やれば、また負担もかかる。『メジャーの試合で投げる準備は整った』と、彼自身が伝えてくれた」。大谷の進言も決断の後押しとなった。
＜2＞投手陣の現状 ベテラン左腕カーショーの復帰は大きいが、サイ・ヤング賞2度の左腕スネル、昨年9勝の右腕グラスノー、佐々木ら主力が次々と離脱。先発の駒不足も影響し、救援陣にも負担がかかり、リリーフの投球イニング304回1／3（6月15日終了時点）は両リーグ最多となっている。同監督は「1イニングでも2イニングでも彼が投げてくれれば、チームにとってプラスになる」。
＜3＞大谷の好感触と早期復帰への意欲 前回10日のライブBPで44球、3イニングを想定し、6奪三振で順調な調整ぶりを見せていた。14日のジャイアンツ戦後、大谷は「十分試合で投げるレベルには近づいている」。ロバーツ監督は「球団としては（二刀流復帰までのプロセスは）初めてのことだが、彼は1度経験しているし、ショウヘイの話を聞こうと」と語った。
1イニング相当で交代するオープナー復帰から、徐々に球数と強度を上げていく。同監督は「1週間前の時点ではもう1度（ライブBPで）4イニング投げる予定もあったが、話し合いと本人の自信から『行ける』と判断した」と、急展開の舞台裏を明かした。
