
<明治安田J1:横浜FC0-1川崎F>◇14日◇第20節◇ニッパツ
川崎フロンターレが敵地で横浜FCを1-0で破り、6戦負けなしで6位に浮上した。
背番号「10」がピッチに戻ってきた。4月2日に右ヒラメ筋肉離れを負ったMF大島僚太(32)が、3月29日のFC東京戦以来約2カ月半ぶりに先発復帰。卓越した技術で攻撃の組み立てをつかさどり、守備でも体を張ってチームの無失点勝利に貢献した。
12日の天皇杯で久々のベンチ入りを果たし、満を持してこの日、Jリーグのピッチに帰還した。思いを問われると「うーんまあ特に…」と“らしく”振り返りつつ「出られるように準備して、勝ててよかった。今シーズンは追いつかれる試合も何試合かあったので、最後までピッチに立てなかったけどチームとして勝ち切れたのがよかったです」とチームの勝利を喜んだ。
大雨の中、ぬかるんだピッチでショートパスをつなぐチームの特徴は出しづらかった。自身の武器も発揮しにくい環境に「相手のストロングの部分を気をつけながら、みんなで声をかけて、どちらかというと攻撃より守備が強めになった」とある程度割り切って守備意識を高めた。
前半終了間際にはDFがボールをかぶって相手に抜けだされたシーンでカバーに走り、体を投げ出してシュートブロックした。その他でもセカンドボールの回収で何度もチームを救った。長谷部茂利監督からも「ピッチと天候と風とで多くの面で不都合があった。彼にとっては復帰戦にしては難しい状況だった。それでも何度か良いシーンのきっかけをつくった。まずまずの復帰戦だったと思います」と評価を受けた。
多くの人が待ち望んだ試合で後半16分まで61分間プレー。コンディションとともに試合勘が戻ってくれば、後半戦で巻き返しを図るチームにとって非常に大きな存在だ。「次の試合に向けて、もう1回競争というか、みんなで反省してみんなが気持ちよくプレーできるように中盤の選手としてやらないといけないことがある」と先を見据えた。【佐藤成】