
<日本生命セ・パ交流戦:楽天3-2阪神>◇13日◇楽天モバイル
村上でも止められないなんて…。阪神が「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦で悪夢の4戦連続逆転負けを喫した。両リーグトップ7勝の先発村上頌樹投手(26)が2点リードの4回に逆転を許すまさかの展開。7試合連続でHQS(ハイクオリティースタート、7回以上、自責2以内)の右腕が今季2敗目を喫した。チームは今季2度目となるワーストタイの4連敗。リーグ首位に変わりはないが、交流戦は5位タイに後退した。
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スタンドを埋めた東北の阪神ファンの歓喜が、ため息に変わった。3回に森下、大山のタイムリーで2点を先制。3夜連続の逆転負けの悪夢を払拭できる。右翼スタンドを埋めた黄色やグレーのユニホームを来た虎党の歓声が途切れた。
両リーグトップ7勝右腕が2点を守れなかった。3回まで2安打無失点と安定した立ち上がりを見せたエース村上に狂いが生じた。4回先頭浅村にファウルで粘られ、カウント3-2から投じたインハイの8球目。今季通算2000安打を達成したばかりのベテランはバットを止めた。今季初のイニング先頭四球。ゴンザレスを左飛に打ち取ったが、渡辺佳、宗山に連打を許して1死満塁を背負うと辰己に犠飛。続く武藤に走者一掃の三塁打を打たれ、4日連続の逆転を許した。
「先頭を四球で出して1点差、同点で踏みとどまることができず、一気に逆転のイニングを作ってしまいました。(連敗中での先発は)関係ないので。無駄な四球から始まったので、そこはダメだったなと思います。みんなが先制を取ってくれたのに逆転を許し悔しいです」
4月25日巨人戦から7試合連続で達成していた好投手の指針でもあるハイクオリティースタートも止まった。今季2敗目を受け止めた右腕の言葉にはもどかしさがにじみ出た。
楽天を上回る2桁11安打も2点止まり。1点を追う7回、9回に得点圏に走者を置きながら、あと1本が出なかった。藤川監督は「形をつくるというのがすごく大事なので、継続してそれをやっていくと。あとはもう、そのうち結果はつながってきますから。それにつきますね」と、忍耐を前面に出した。
楽天には23年から3年越しで5連敗になった。10日西武戦(ベルーナドーム)から4連続逆転負けでの今季2度目の最多4連敗。指揮官は「(連敗を)早く断ち切らないといけないのかなと思います。自分自身は全く継続していないんですけど、何とかそれを選手たちに、早く断ち切れるようにしなければいけないですね」と締めた。負のスパイラルから早く抜け出したい。【伊東大介】
▼阪神が4試合連続の逆転負け。今季12度目で、広島、西武と並んで両リーグワースト。今季25敗はリーグ最少ながら、約半数が逆転負けの状況だ。