
<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム6-1ヤクルト>◇12日◇エスコンフィールド
日本ハム北山亘基投手(26)が、「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦で、自己最多14三振を奪い、8回5安打1失点(自責0)で4勝目を挙げた。規定投球回に達し、防御率1・17はリーグトップ。今季交流戦初の同一カード3連勝に貢献し、チームの貯金は今季初めて2桁「10」に到達した。
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球数が100球を超えても、北山のボールは衰え知らずだった。8回、並木から152キロ直球で空振り三振を奪うと、続くサンタナは直球で追い込み、カーブで連続三振に斬った。自己最多の14奪三振。「自分の強みを引き出してくれた。中盤からストレートも強いボールになった。本当に進藤のリードのおかげ」と感謝を口にした。
初回に連打を浴びて1失点。立ち上がりは、投球フォームに「浮足立ってる感覚」を覚えたが、ベンチで進藤とも意見をすりあわせて修正。初回のオスナ、2回の増田、赤羽をフォークで三振に仕留めた一方で、6回の3者連続三振はすべて150キロ超の直球と「真っすぐが乗ってきて、自分のペースになった」。イニングが進むごとに、投球にキレと力強さが増した。
8回を投げ5安打1失点(自責0)。規定投球回に達し、防御率は1・17でリーグトップに躍り出た。「やるからにはリーグで一番の成績を取りたいと思っている。途中経過ですけど、そこに名前が載ったっていうのはうれしい」と納得した。
3年ぶりのヤクルト戦登板には、特別な感情もあった。
「より成長した姿だったり、経験を無駄にしてないんだっていうところを証明できたらいいなという気持ちでマウンドに上がった」
ルーキーだった22年5月24、25日のヤクルト戦。当時救援を務めていた北山は、1戦目の延長10回にサヨナラ打を浴びると、2戦目は2点リードの9回に1死も奪えずに降板し、2日連続で敗戦投手になった。翌26日は新庄監督に背中を押され、3夜連続でマウンドへ。1失点したがリードを守りきり、プロ野球人生の中でも大きな3連戦になった。「当時の自分にいい報告ができるんじゃないかなと思う」。当時、瞳をぬらした新人守護神は、いまや先発の柱のひとりとしてチームの真ん中を歩んでいる。【本間翼】