
<全日本大学野球選手権:中京大5-0近大>◇11日◇2回戦◇東京ドーム
大舞台で初勝利を飾った。
中京大(愛知)が、近大(関西学生)を退け、2大会連続の8強入りを果たした。先発した大矢琉晟投手(4年=中京大中京)が7回3安打8奪三振無失点でで大学初勝利。初戦を12安打で勝ち上がった近大打線を封じた。「ここで勝つために練習してきました。リーグ戦では勝てませんでしたが、この大きな舞台で、まず1勝を挙げられて良かったです」と、初めて手にしたウイニングボールを握りしめながら話した。
エースに頼らず2勝目をつかんだ。プロ注目の高木快大投手(4年=栄徳)がコンディション不良により、2試合連続で登板回避。それでも、チームは2試合連続の無失点。初戦の久留米工大(九州地区)では、2投手で8回無失点でコールド勝ち。この試合は3投手の完封リレーで、投手層の厚さを見せつけた。大矢は「初戦で投げた投手陣からマウンドの傾斜や特徴を聞いていたので、すんなり入れました」と、まさに全員でつかみとった勝利だった。
進路は「プロ一本」と明言。そのためにも、この春に全てを懸ける。「自分がここでいいピッチングができるイメージをずっと持ってきたので、うれしいのはもちろんですが、『日本一』に向けては、まだまだ通過点なので、気持ちを切らさずにやっていきたいです」と気を引き締めた。4年春でようやく手にした初勝利。全国制覇も、プロへの道も、自らの手で切り開くつもりだ。【木村有優】