
独走態勢、着々ウイークだ。首位阪神は10日から西武&楽天と敵地で6連戦。3・5差の2位以下を一気に突き放すべく、10日の先陣は23回1/3を連続無失点中の絶好調右腕、才木浩人投手(26)が切る。西武戦は昨年8回1死まで無安打投球を披露したお得意さま。交流戦も6連勝中と得意にしている「火曜日の男」は、チームをさらに勢いづける0封快投継続を誓った。
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才木は気合十分だった。甲子園での投手指名練習を終え、球場内通路で汗をにじませながら取材対応。先発する10日の西武戦で重視するのは、0封の継続だ。
「イニングを投げるのもそうですけど、やっぱりゼロで抑えるところが一番大事。ゼロに抑えて、長いイニングを投げられたら」
今季はすでに5勝を挙げ、防御率1・57の安定感を誇るが、特に直近3試合は23回1/3の連続無失点と絶好調。プロ2度目の登板となる西武戦でも、0行進を伸ばして勝つ意気込みだ。
昨年甲子園で初対戦した6月9日は、8回1死まで無安打無得点。快挙まであと5人のところで代打山野辺に初安打を許し、お立ち台で開口一番「悔しいっす」と正直に言った。それでも“ノーノー未遂”で嫌なイメージを植え付けたお得意さまに変わりはない。敵地ベルーナドームは初登板。油断はなかった。
「去年は去年。今年は今年でメンバーも違うし自分の感覚も違う。球場も変わるので1つずつしっかり」
投げ合う西武先発隅田もパ1位の防御率1・04の安定感を誇る。昨年のプレミア12でも共闘した好左腕で、息詰まる投手戦も予想される。「なかなか点の入らない状況になるかな。でもどんな状況でも、こっちがゼロでいけば負けることはない」。8回0封した昨年に続き、2年連続無失点で獅子退治する意気込みだ。
交流戦は初先発で黒星を喫した18年の楽天戦後、7戦6連勝中。前回3日の敵地日本ハム戦でも8回無失点に抑えるなど、相性の良さはアドバンテージ。特にDH制のパ本拠地での試合は、より投球に集中できる利点を感じている。
「だいぶメリットですね。リズム良くいけるし、ピッチング以外で考えることがないので」
4連勝中のチームは2位DeNAに3・5差をつけてリーグ首位を走る。5勝1敗発進を決めた交流戦も堂々の首位をいく。甲子園を離れて戦う敵地6連戦の初戦。「火曜日の男」が0封継続で、独走態勢を加速させる。【波部俊之介】