
<全日本大学野球選手権:東海大6-2青森大>◇9日◇1回戦◇東京ドーム
17年ぶりの大舞台は初戦で涙をのんだ。青森大(北東北)は東海大(首都)に2-6で敗れて初戦敗退。
先発のエース坪田幸三投手(4年=東奥義塾)は2回3失点(自責2)で降板。緊張はなかったが、初の全国に気持ちがたかぶった。「相手に向かっていこうという思いが強すぎて、力が入りすぎてしまいました」と反省。それでも「打たれたことでいろいろなことを学び、成長できるきっかけにもなりました。『秋も絶対に勝ちたい』という気持ちがさらに高まりました」と口にした。
チームは最後まで青森大らしさは忘れなかった。同大が掲げる“クレイジー野球″の定義の1つ、「狂ったように勝ちきる覚悟を見せつける」をしっかりと体現した。1-6の9回には1死から1点を返した。果敢に足も使うなど、最後の最後まで粘った。三浦忠吉監督(44)は「『本気で逆転しにいこう』、『本気で攻めていこう』という姿勢だと思います」。これが青森大の野球だ。
初戦敗退に終わったが、止まっていた時間が動き出した。同大は08年以来、全国大会の出場がなかった。だが今春、同リーグのライバル、富士大や八戸学院大を退けて、17年ぶりに全国切符を手にした。指揮官は「これをベースとして、次はもう1個、ステージアップできるように練習していきたいです」。全国では過去2度、4強入りした同校。かつての強さを取り戻す第1歩を踏み出した。【木村有優】