
<カージナルス2-1ドジャース>◇7日(日本時間8日)◇ブッシュスタジアム
【セントルイス(米ミズーリ州)7日(日本時間8日)=四竈衛】侍ジャパンの親友対決が実現した。ドジャース山本由伸投手(26)とカージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(27)が同地で初めて対戦し、3打数1安打2三振。6回無失点と好投した山本に勝敗はつかず、ド軍はサヨナラ負けで連敗を喫した。
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真剣勝負だからこそ、2人にとって、心が躍り、集中できる貴重な時間だった。プレートに足をかけた山本は、打席のヌートバーにアイコンタクトであいさつし、ヌートバーも目力で返答。山本は素直な思いを口にした。「ついにメジャーの舞台で対戦できる。すごく楽しみにしていました」。初回はカウント1-2から時速143キロのスプリットで空振り三振。まずは山本に軍配が上がった。
2回2死満塁の第2打席、山本は一気にギアを上げた。「スイングもすごく強いですし、安打にされると走者が一気にかえってしまう場面でもあったので、とにかく丁寧に投げました」。1ボールから3球連続スプリットで空振り三振。試合の流れは渡さなかった。
一方のヌートバーも、盟友との対決を楽しんでいた。「スプリットが鋭く落ちていた。速球のように見えて速球じゃない。そういう時は脱帽するしかないね」。もっとも、2三振のまま、終わるわけにはいかない。23年5月3日、大谷(当時エンゼルス)との対戦は3打数3三振。「翔平と山本相手に(計)6打数6三振だけにはしたくなかった」。5回の第3打席。思惑通りかは別として、左方向への詰まった当たりが三塁横を抜ける安打となった。
23年WBC以降も2人はテキストでの激励や情報交換を繰り返してきた。だが、昨季は互いの故障時期が重なり、対戦はお預けに。ただ、ヌートバーによると「僕らよりも、僕のママと由伸ママが頻繁に連絡を取り合っている」と、家族ぐるみの付き合いが続いている。
チームが敗れ、自らも白星を逃したとはいえ、試合後の山本はスッキリした表情だった。「すごく冷静に対戦できたと思います。運良く、いいところに球も行ってくれた。1本ヒットにはされましたけど、いい投球が多かったかなと思います」。今や「エース」と「不動の1番」になった2人は、今後もより高いレベルで、互いに磨き合うに違いない。