
<日本生命セ・パ交流戦:阪神8-2オリックス>◇7日◇甲子園
阪神近本光司外野手(30)が通算1000安打をマークした。残り3安打から固め打ちで決めた。プロ野球323人目。出場861試合目でのスピード到達。阪神の生え抜き選手では、初代ミスタータイガース藤村富美男の864試合を抜いて、最速となった。
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中日大島洋平外野手(39)は9歳下の阪神近本が成し遂げた節目を心から祝福した。「近本君は今のままでいい、今のまま続けていけばいい」。23年に史上55人目の2000安打を達成した竜のヒットマンは惜しみないエールを送った。
入団当初から近本に不思議な縁を感じていた。近本は18年ドラフト1位で阪神に入団。大島同様に新人で開幕1軍スタメンを決めた。大学、社会人を経てプロ入りした経緯も同じ。大阪ガスと日本生命と関西でしのぎを削るライバルチーム出身で、さらに誕生日は同じ11月9日だった。「球場のスクリーンに出ているデータを見ていて、この子は誕生日も同じなんだ」。同じ左投げ左打ちでセンターが定位置。他の新人より注目、観察してきた。
昨季、名古屋市内で初めて会食した。打撃論などで時間は瞬く間に過ぎた。「打撃に関して僕より全然上。ツボにはまれば、大きいのもあるし、ちゃんとレフトとかセンターにしっかり合わせることもできる。僕は大島スタイルがあるけど、近本スタイルが確立されてきている。足とかは近本君の方が速いし」。自身より1年早い7年目で大台をクリアした後輩を持ち上げた。
「試合に出続けて、いろんな経験を積んできて、近本っていう幹がボーンとあって、いろんな枝葉がついているような感じ」。大島は大学、社会人経験で史上4人目の名球会入りを決めた。「僕よりもっと早いでしょ。ボクは38歳のときだった。彼は36歳くらいかな。いけるんじゃないかな」。6年後の通算2000安打達成も予言した。【伊東大介】