
<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム0-1阪神>◇3日◇エスコンフィールド
日本ハムは阪神に0-1で競り負け、交流戦黒星発進となった。0-0の6回に4番手の玉井が大山に中越えソロを浴び、打線も1点を追い付くことができなかった。敗れはしたが、3回1死二塁、先発古林睿煬投手(24)が急きょ降板する中、スクランブル登板の斎藤友貴哉投手(30)が1回2/3無失点と快投。初の古巣相手の登板で、対応の早さをアピールした。
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斎藤が想定外の事態の中、せっせと支度をし、古巣ファンの前で躍動した。3回1死二塁のピンチで急きょ登板し、まず阪神中野を低めの156キロストレートで遊ゴロ、4番佐藤輝を158キロのストレートで一ゴロに打ち取った。「試合前はタイガース戦ということで緊張していましたが、そういう状況だったので、登板時は、逆にあまり緊張せずに入ることができました」。4回も無失点にしのぎ、チームの窮地を救った。
スクランブルでの登板だった。3回1死一塁、古林睿煬が阪神中野に初球を投げ、一塁走者の近本に二盗を決められた直後、降板となった。加藤投手コーチは「今日は何かあれば(斎藤)友貴哉に行ってもらおうというプランだった」。斎藤も何かあった際の対応は頭に入れていたが、既に来日初完封するなど、4戦すべて100球前後投げている先発右腕が、3回途中、わずか30球で降板するとは想定していなかった。
虎党もざわつく中、斎藤が右翼側ブルペンに出て来て準備を開始。「電話が来て。『ちょっと(肩を)作ってくれ』と言われて。何をしていたタイミングかは覚えてません」。とにかく必死だった。「すぐに肩はつくれる方ではありますが、体をあっためないとまずいと思って」と、ブルペンの傾斜を使ってダッシュ。体をほぐして4球投げ、さらにマウンドで10球を投げ、快投につなげた。
移籍初年度の23年はけがでシーズンを棒に振り、昨季の交流戦時は2軍生活だった。移籍後初の古巣戦登板に「お世話になった先輩や監督の藤川さんやコーチや、たくさん成長させてくれた方がいたので何とか活躍したいと。ここに来られたのはすごく自分としても成長。またしびれる場面でタイガース戦に投げたい」。敗戦の中、大きな手応えをつかんだ。【永野高輔】