
巨人阿部慎之助監督(45)が大先輩との別れを悼んだ。
長嶋茂雄終身名誉監督の訃報に「入団して1年間、我慢して使っていただいて。僕をここまでにしていただいた方なので、本当に感謝しかないです」。プロ1年目の01年の開幕スタメンマスクに抜てきしてくれた恩人だった。「神様というのか分からないですけど、そのような存在でした。誰もが認める野球人だったんじゃないかなと思います。その一言に尽きますね」と尊敬をはるかに上回る。
最後に対面したのは開幕前の3月15日のドジャースとのプレシーズンマッチのときだった。白のパンツに鮮やかなイエローのニット、ベージュのカーディガンを合わせたコーディネート。「ドームにお越しの時は、いつもおしゃれなので『おしゃれですね』って言うと大笑いしてくれて、最近ではすごく印象に残っていますね」。お約束のやりとりの一端を明かした。
桁違いのエネルギーには驚きの連続だった。「脳梗塞から復帰してすぐだったかな。食事にも連れていってくれたりとか、すごく気にかけていただいていた。その時は僕と同じくらいの量の肉を食ってたんで、すごいなと」。一挙手一投足のすべてがミスターそのものだった。
この日の交流戦開幕カードのロッテ戦は雨天中止となった。室内練習場での練習前には黙とう。「とにかく勝っていい報告ができるようにするだけだと思いますし、長嶋さんはジャイアンツは永久に不滅だと言っていましたけど、そうなれるように僕らがしっかりと素晴らしいものを継承してやっていきたいなと思います」と秋の報告を誓った。【為田聡史】