
<明治安田J1:C大阪4-2清水>◇第19節◇1日◇ヨドコウ
清水エスパルスの元日本代表FW乾貴士が、22年6月まで在籍した古巣セレッソ大阪の本拠地ヨドコウへ移籍後、初めて乗り込み、初対戦した。2日が誕生日のため、36歳最後の試合だった。
4試合連続で先発した背番号33は、スルーパスで決定機を演出したが、2-4で逆転負け。
「自分たちのミスから、相手にペースを握られてしまったので、反省しないといけない。前に蹴るだけでなく、つなげないといけない場面で、しっかりコントロールできていなかった」と課題を口にした。
C大阪時代の盟友、同学年のMF香川真司(36)とは初対決。後半途中から出場してきた香川に「おせーよ(出場してくるのが遅いよ)」と、その喜びを表現したそうで、激しいマッチアップはなかったものの、中盤で渡り合った。
「やっぱ、うまいです。ボール持ったら。受けるところとか(今の香川の)ポジションはボランチになったが、技術はすごいなという感じです」
試合前に乾の名前が場内アナウンスされると、C大阪サポーター席からは、拍手や歓声よりブーイングの方が大きかった。ただ、当時の乾のユニホームを着たファンも会場にいた。
「まさか、ユニホームを着てくれるとも思っていなかった。(C大阪からの)出方も出方だったので、ブーイングとかあるのは分かっていたし、そうじゃない人も来てくれたのでうれしかった」
乾の規律違反を発端に、22年6月9日にC大阪と双方合意で契約解除。シーズン中に望んだ別れ方ではなかったが、今もC大阪のレジェンドであるのも事実。
香川とは互いのユニホームを交換し、オーストリア1部ザルツブルクへ完全移籍するC大阪FW北野颯太(20)とは記念写真を撮影。大ベテラン健在を、かつての仲間やサポーターに示した試合だった。【横田和幸】