
<高校総体サッカー静岡県大会:浜松開誠館0(4PK3)0静岡学園>◇1日◇準決勝◇藤枝総合運動公園サッカー場
浜松開誠館がPK戦の末、4-3で3連覇を狙った静岡学園を破って、初優勝に王手をかけた。PK戦ではGK吉田壮馬(3年)が1本止めた。準々決勝を主力温存で勝ちきった策が奏功した。藤枝東もPK戦の末、5-3で磐田東を撃破。7年ぶりの全国出場へあと1勝とした。全国切符をかけた決勝は7日、袋井・エコパスタジアム(午後1時30分)で行われる。
浜松開誠館が、絶対王者を止めた。PK戦では相手5人目のキックをGK吉田が左手1本でセーブ。勝負を決めたヒーローを中心に歓喜の輪ができた。前後半の80分間も無失点でしのいだ守護神は「最高の気分でした」。準々決勝と準決勝の連戦を総力戦で乗り切った。
5月31日の浜松南との準々決勝はこれまで出番がなかった控え組で臨み、2-0で完封勝利を収めた。GK吉田を除く10人の主力は温存。連戦の疲労を考慮し、静岡学園との大一番に照準を合わせていた。主将のMF川合亜門(あもん、3年)は「普段あまり試合に出られないメンバーがつないでくれた。今日は何が何でも勝たなければいけなかった」。仲間からのバトンを受け取った主力組の意地があった。
さらに、チームは準々決勝後に宿泊して、この日の試合に備えた。万全を期して臨んだ一戦では強度の高い守備で対抗。球際でのバトルで一歩も引かなかった。高い技術力を誇る相手攻撃陣をシュート3本に抑える完璧な試合運びを披露。青嶋文明監督(56)も「守備は絶対に譲れないところ。静学を止めるのはうちしかないと思っていた」と手放しで選手をたたえた。
主力の半数は同校中等部出身。22年の全国中学体育大会では全国制覇を成し遂げている年代だ。川合もその1人で、「高校に入ってから1度も全国に出ていないので次は勝って恩返しをしたい」と意気込んだ。
県総体での過去最高成績は準優勝が2回。冬の全国選手権には通算2度出場しているが、夏の出場は1度もない。全国をかけた決勝の相手は名門藤枝東。吉田は「必ず勝って自分たちの代で歴史を塗り替えたい」と言った。悲願まであと1つ。05年の創部以来閉ざされている扉を開いてみせる。【神谷亮磨】