
<明治安田J1:町田0-3横浜>◇31日◇第19節◇Gスタ
最下位横浜F・マリノスが泥沼7連敗からの2連勝となった。アウェーでFC町田ゼルビアを相手にFW遠野大弥が前半のうちに2得点を挙げ、後半追加タイムに相手のオウンゴールで3-0と快勝。縦へのロングボールを入れる戦術が奏功し、前節鹿島戦に続く3ゴールとなった。今季3勝目で勝ち点を14に伸ばし、19位新潟との勝ち点差は2に詰まった。
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人は変わる。降りしきる雨の中、Aロペスは懸命に走り、体をぶつけ、味方にボールをつなげた。現実的に戦う今の横浜を象徴する。2年連続の得点王はエゴは押し殺し、チームのために戦った。翌日で39歳となる最年長のGK飯倉は「ロペスが特に体を張って走った。彼が動いてくれることで大きなチームの機動力になったんじゃないかな」。
戦術が変わった。縦へのロングボールを多用し、セカンドボール回収からゴールに向かう。狙い通りの2点目。喜田の縦パスからDFラインの背後と取り、遠野の得点が生まれた。シュート4本で3-0完勝。出場14試合連続無得点となったエースは「前ならボールを支配しチャンスを多く作った。でも今はロングボール主体でチャンスも少ない。それでも結果が出るならマリノスのためにやる」。
時代は変わりゆく。前日、松永成立GKコーチが辞任した。Jリーグ草創期の守護神で、07年から18年も横浜を指導してきた功労者だ。飯倉は「毎日行くのが嫌になるくらい鍛えられた。だから今の自分がある」と感謝した。そして「新しいマリノスへ人は循環していく。いろんな思いを持って戦っていく」と誓った。
そして変わらぬこと。33年続くJ1の地位を守るため、変化を恐れず、マリノスは強者であり続ける。【佐藤隆志】