
<広島0-2阪神>◇31日◇マツダスタジアム
阪神木浪聖也内野手(30)が、一振りで広島床田から1点をもぎ取った。0-0の5回2死一塁、チーム初安打を放ったヘルナンデスを一塁に置いて打席へ。ストライクを見逃した直後、甘いカットボールを捉えた。「思いっきりいきました。内容はすごくよかった。しっかり準備してよかった」。打球は左中間を破り、均衡を破る適時二塁打。この日床田から放った全2安打で奪った1点が決勝点となった。
「あの1本はすごく大きかった。モーチョ(ヘルナンデス)も頑張って走ってくれた。大竹に先制点をあげたいという気持ちと、僕で終わるより大竹まで回そうという思いも強かった。本当に打てて良かった」
3者凡退も多く打線が苦しんだ中、同左腕に対して昨季からの打率は3割1分8厘で、今季3打点を挙げている好相性の8番打者が試合を決めた。
広島戦は5試合連続安打。毎試合1本ずつで5本中3本が適時打だ。藤川監督は「木浪は素晴らしいヒットでした。床田投手もまさかあそこから1点とは思っていなかったと思います」。5月23日中日戦から8試合連続スタメン。守備でも同期間は無失策で、3カード連続勝ち越しに貢献している。3、4月は打率2割だったが5月は月間で2割6分5厘と上り調子。リーグ優勝、日本一の23年は遊撃でベストナイン、ゴールデン・グラブ賞に輝き「恐怖の8番」と呼ばれた男が8番で活躍した。
「今日と変わらず勝つことを第一に全員で戦いたい」。3連勝での交流戦突入へ燃えた。【塚本光】
▽阪神熊谷(守備から途中出場で8回1死二塁の三ゴロで二走羽月を三塁手前でタッチアウト)「僕が出ている意味はそういう意味だと思う。(遊撃)木浪さんの声もしっかり聞こえたので、対応できました」