
<広島2-5阪神>◇30日◇マツダスタジアム
阪神森下翔太外野手(24)が運も味方に、決勝点をもたらした。
近本が同点打を放った直後の5回2死一、三塁。打ち上げた打球は、左翼方向手前に高く上がった。遊撃手矢野と左翼ファビアンがともに懸命に追うが、交錯。両者ボールを捕れず、転々とする間に走者2人が生還した。記録は失策。打点は付かなかったが、ラッキーな一打で決勝点をもたらした。
「エラーがついたので。自分のバッティングで返せるように頑張ります」。
初回2死の第1打席では、150キロ直球をライナーで運ぶ中前打。続く4回にも1死から147キロ速球を捉えて左前打を放ち、マルチ安打で迎えた3打席目だった。
「1打席目でしっかりはじき返せていたので。その後の打席はちょっと課題が残りましたけど、チームが勝ったので良かったです」
前日29日DeNA戦では19打席ぶり安打をマーク。トンネルを抜け、さらなる復調を印象付ける6試合ぶりのマルチ安打となった。
相手先発は同姓の広島森下。昨季は1割8分2厘と苦しめられてきた中、今季はこれで14打数5安打。打率3割5分7厘と、好相性ぶりを見せている。「別にそんなにいいイメージはない。自分のバッティングをしているだけです」。一戦一戦、ベストを尽くす姿勢が結果につながっている。
相手のミスも絡みながらではあるが、森下から挙げた貴重な3得点。藤川監督も「(点が)入ったり入らなかったりしながら。でも我慢強く攻撃を仕かけていくという意味ではよくやってくれました」と攻撃陣をたたえた。復調の3番が、難敵攻略を支えた。【波部俊之介】