
<春季北海道高校野球:北海3-2東海大札幌>◇29日◇準々決勝◇札幌円山
3連覇を狙う北海が今春センバツ出場の東海大札幌に3-2で逆転勝ちし、4強入りを決めた。0-1の3回2死一、二塁で3番・桜井悠也内野手(3年)が左翼への2点適時二塁打を放って逆転。この回3得点で、6回に1点差に迫られるも、接戦を制した。昨年秋全道決勝で0-2で敗れ、あと1勝で甲子園を逃した雪辱を果たした。旭川実、白樺学園も勝ち上がり、4強が出そろった。準決勝は31日に行われる。
北海ナインの表情にすがすがしさがあった。昨年秋全道決勝の相手、東海大札幌を破って決めた3年連続のベスト4。同戦で「1番二塁」で先発していた桜井は、1点を追う3回2死一、二塁でカウント2-2から内角直球にバットを振り抜き、左翼線への二塁打を放った。「東海にリベンジするために冬頑張ってきたので、それが報われてうれしい」と笑顔だった。昨年春覇者が挑戦者として立ち向かった結果、手にした勝利だった。
甲子園を逃した悔しさを忘れた日はなかった。ミーティングでも東海大札幌の名前はいつも出ていた。センバツの試合は各自でチェックし、リポートを書いて平川敦監督(54)に提出した。率直に感じたことを記していくと、A4用紙の表裏があっという間に埋まった。桜井は「自分たちとの一番の差は振る力。東海は自分たちのバッティングに自信を持っている」と分析。逃げずに課題に向き合った。
アクシデントを乗り越えての勝利だった。2回の守備で「5番右翼」で先発していた主将の佐藤瞭磨外野手(3年)が打球に飛び込んだ際、右肩を亜脱臼して負傷交代した。もともと脱臼しやすく、右前への安打は三塁打となってしまい、先制点につながった。だが、すぐに3回一挙3得点。退いたベンチで見守り「自分が抜けた穴をチームメートがカバーしてくれて、チームとしてまず勝てて良かった」と感謝した。
頂点まであと2勝。「まだ準決勝。3連覇は意識せず一戦必勝でチーム全体で勝てばいい」と桜井。次は昨夏北北海道代表として甲子園に出場した白樺学園との決勝進出をかけた戦いに臨む。【保坂果那】